正社員への「手当」は今後確実に減少していく

2つの最高裁判決は給与体系をどう変えるか

同一労働同一賃金を実現するためには、労働法の根本を改める必要がある(写真:GF days/PIXTA)

6月1日に、今後の労働法実務を大きく動かすであろう、同一労働同一賃金に関する初の最高裁判断が2件出されました。同じトラックドライバーの正社員・契約社員の比較が問題になったハマキョウレックス事件、定年前の正社員と定年後再雇用の嘱託社員(形式上は有期契約)との比較が問題になった長澤運輸事件です。

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これらは、労働契約法20条が禁じる「不合理な格差」についての初判断を示しましたが、判例の読み方についてはこちらの記事で整理しています。本稿では、一歩踏み込み、判例が出たことによって会社はどう動くか、働く人にはどう影響するかについて考えます。

そもそも、同一労働同一賃金とは、正社員と非正規雇用(パート・アルバイト、契約社員)との待遇差が、不合理であってはならないとするものです。今回の最高裁判断のポイントは、この不合理性について、かなり各企業の個別的事情に踏み込んだうえ、住宅手当、皆勤手当、精勤手当など各賃金項目を個別的に判断したという点にあります。

裁判官ですら意見が割れるような極めて微妙な問題

個別判断ということは、「こういう企業で、こういう経緯があって待遇の差ができて、こんな交渉をした結果、手当の差があることが合理的か」という判断になるので、判決の射程が狭く、今後似たような事例があっても、裁判官の考え次第で適法にも違法にも転びうる面があるということです。

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