セルジオ越後「日本代表への錯覚」をなで斬り 会場に集まった120人の読者を前に緊急提言
――5月31日に日本代表23人のメンバーが発表されました。南アフリカW杯や前回大会経験者も多く選出され、若手選手たちが落選したベテラン主体の選手構成に見えます。代表メンバーのリストを見て率直にどうお考えですか。
日本のメディアは「ビッグ3」と選手をもてはやしますが、なぜポッド4の国がビッグな選手を持っているのでしょうか? 彼らが世界的にも通用するビッグ3というなら、日本はポッド2くらいにまで世界ランクを上げなければおかしいはずです。やはり興行的側面もあり、強く見せておかなければいけないというジレンマがあることは分かります。
また、(井手口陽介や浅野拓磨など)若手が落選し、年齢の高いベテランが優遇されたといわれていますが、選ばれたベテラン選手たちには何も責任がないと考えています。
今回の代表選出はこれまでの日本サッカーの流れを分析するには、非常に重要な選び方といえるでしょう。
育成という意味での在庫が減り、ベテランと言われる彼らを上回るスターがいない国になった。本来であれば、過去の大会を経験しているベテラン勢と、若手とを上手く融合して若手を国際舞台に慣らしていくという取り組みを長い時間をかけてやっていかなければならなかったのです。そういう意味では強豪国に勝つ強いチームを作るといった長期的な対策を協会(日本サッカー協会、JFA)もやっていかなければいけません。
グループステージの戦い方は?
――初戦で当たるコロンビアは4年前のブラジル大会で1-4で惨敗した相手です。さらに2戦目のセネガル、3戦目のポーランドとはどのような戦い方が日本代表には必要でしょうか。
弱いチームが強いチームに勝つためには11人で引いて、守る戦いが必要です。西野朗監督が4月に就任し、初戦となったガーナ戦(日産スタジアム)では3バックの布陣なども試していますが、11人対11人のゲームで固定したシステムというのはありません。相手が攻めてきたら、5バックになってボランチも両サイドも下がって全員で守るしかないのです。
さらに、W杯は6人交代が許される国際親善試合とは異なり3人交代制です。誰かがケガをした際に備えて1人置いておくと考えれば、実質交代できるのは2人しかいないのです。その点も踏まえて「ポッド4」の戦い方を徹底しなければなりません。初戦の結果も踏まえ、2戦目については精神的な立場と戦い方を変えなければなりません。
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