元日本代表GK楢崎が強調する「腹のくくり方」 2度の16強入りを知る男の歓喜と落胆のW杯
「西野(朗=日本代表監督)さんは勝負師の一面を持っている。選手起用や交代でも『えっ』と驚くことをするときがあるから。何をやるのか、僕自身も興味津々です。
やっぱりワールドカップを戦ううえで大事なのは、腹のくくり方。僕が最後に行った2010年南アフリカ大会の時も、岡田(武史監督=JFL・FC今治代表)さんは自分のやりたかったことを捨てて結果を出しましたからね」
西野監督が名古屋グランパスを率いた時(2014~15年)の教え子である元日本代表の守護神・楢崎正剛は自身の過去4回のワールドカップ経験を踏まえつつ、2018年ロシア大会に挑む新指揮官と後輩たちの動向を見守っている……。
W杯に4大会出場したのは楢崎と川口だけ
1998年フランス大会から過去5回のワールドカップに参戦してきた日本だが、4度も世界舞台に赴いたのは、川口能活(J3・SC相模原)と楢崎の2人だけだ。1998年と2006年ドイツ大会は川口が正GK(ゴールキーパー)を務め、楢崎は2002年日韓大会で全4試合に出場した。
「1998年にワールドカップの雰囲気を肌で感じたんで、『次は自分が出る』『必ずピッチに立つんだ』と強く思っていました。2002年の時は(当時26歳と)若かったし、まだまだ発展途上の中でプレーしていた感覚だったんで、GKとして出来上がった感じはなかった。
(監督のフィリップ・)トルシエも信頼してくれたかどうかは自分の中ではわからなかった。結構ギリギリまで出るかどうか予想がつかなかったけど、使ってもらえたのは自信になりましたね」と彼はしみじみ言う。
16年前の日本代表は実に勇敢な戦いを見せた。当時の彼らは「フラット3」というDF(ディフェンダー)が3人の守備戦術を採っていたが、初戦・ベルギー戦(埼玉)を2-2で引き分けた後、守備陣が滞在先の葛城北の丸(静岡県・袋井市)で話し合って、高すぎるラインを下げる決断をした。
それが次のロシア戦(横浜)勝利の原動力になったことはよく知られた話だ。楢崎も、もちろんその輪の中に入っていた。
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