元日本代表GK楢崎が強調する「腹のくくり方」 2度の16強入りを知る男の歓喜と落胆のW杯
「僕自身、初戦の2-2は日本が史上初の勝ち点を取ったことより、勝てなかった悔しさのほうが強かった。みんなが同じ気持ちだったから、北の丸の風呂場での話になったんだと思います。
ワールドカップは強豪チームしかいないわけだし、『試す場所』じゃなくて『結果を出すところ』。選手が臨機応変に判断してやるのは自然の流れなんです。そもそもサッカーにはやっちゃいけないことなんか何もない。僕はそう思いますけどね」と楢崎は自己判断を結集させて勝ち取った自国開催の16強を改めて述懐していた。
日本が初勝利を果たした2002年の対ロシア戦
日本中が興奮と熱狂に包まれた祭典の中で、最も印象に残っているのは、稲本潤一(現J1・コンサドーレ札幌)の先制弾を守り切って1-0で勝ち切ったロシア戦の後、当時の小泉純一郎首相がロッカールームにやってきたことだという。
「ワールドカップ初勝利ということで、自分たちが盛り上がりすぎて、小泉首相が何を言ってたのかよくわからなかった(笑)。
でもよく覚えています。無失点勝利というのもGKの自分にとっては大きかった。ホントにいい経験になりました」と彼は若かりし日に思いを馳せた。
それから8年後。
楢崎は代表キャリアの集大成となる2010年南アフリカ大会に挑んでいた。1998年と2006年は主に川口がアジア予選を戦ったが、同大会は予選からずっと楢崎がゴールマウスを守った。2009年6月に敵地・タシケントでウズベキスタンに勝って南ア大会の切符を手に入れた時もピッチに立っていた。その経験値を自信に、ベテラン選手としてチームを牽引するつもりだった。
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