結局、ハリル監督は3年で何をもたらしたのか デュエル主体のサッカーでやりたかったこと

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3月27日のキリンチャレンジカップ・ウクライナ戦で指揮を執っていたハリルホジッチ監督(写真:ロイター/アフロ)

2017年8月のオーストラリア戦(埼玉)で日本代表が2018年ロシアワールドカップ出場権獲得を決めて以降、欧州組を含めたフルメンバーで1勝2分4敗。国内組だけで挑んだ昨年12月のE-1選手権(旧東アジアカップ)でも宿敵・韓国戦で4失点の大敗を喫し優勝を逃した。

この結果だけ見れば、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任されるのは当然のことと言っていい。「なぜ、今なのか。決断が遅すぎる」という声もあちこちで上がっているが、解任するならもっと早いタイミングであるべきだった。そこは多くの人が認めるところだろう。

タテに速い攻めの意識を植えつけようとしていた

ハビエル・アギーレ前監督のスペイン時代の八百長疑惑による更迭を受け、2015年3月に就任したハリル監督への期待値は当初、非常に高いものがあった。「デュエルに勝つことが重要だ」と1対1で体をぶつけ合い、ボールを奪うことの重要性を繰り返し強調していた。日本人に薄かったタテに速い攻めの意識を植えつけようと精力的に取り組む指揮官を、好意的に受け止める選手も多かった。

「自分たちが寄せていると思っているレベルが世界基準では寄せられてないとか、そういう部分を監督は一つひとつ指摘してくれる。世界で戦う最低ラインを要求してくると思うから、それに応えていかなくちゃいけない。僕もすごくワクワクする」と岡崎慎司(イングランド・レスター)も当時、前向きに話していたほどだ。

実際、就任初戦のチュニジア(大分)・ウズベキスタン(東京)2連戦は好印象を残した。とりわけ5-1で勝利したウズベキスタン戦は宇佐美貴史(ドイツ・デュッセルドルフ)と柴崎岳(スペイン・ヘタフェ)の1992年生まれコンビがそろってゴールするなど、世代交代が加速、チームの底上げが進みそうな雰囲気も大いに漂った。

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