セルジオ越後「負けたら解任の危機感を持て」 ワールドカップまでの6カ月をいかに戦うか
――来年6月に開幕するサッカーのワールドカップ・ロシア大会の組み合わせ抽選会が12月1日に行われました。日本はポーランド(FIFAランク7位)、セネガル(FIFAランク23位)、コロンビア(FIFAランク13位)と同じグループHに入ったわけですが、この結果について、どんな印象をお持ちですか。
大前提として、ポット4の日本(FIFAランク55位)は、どのグループに入っても格上との対戦になるわけで、恵まれたグループなどない、ということを認識しなければいけないと思います。ドイツやブラジル、スペインといった優勝候補との対戦が避けられたからといって、勝ち抜ける保証はありません。
改めて対戦相手を見ると、ヨーロッパ、アフリカ、南米の3チームと一緒で、これはギリシャ、コートジボワール、コロンビアと一緒だった前回のブラジル大会と同じなんですね。
でも、相手のレベルは前回よりも高くなっています。ポーランドはギリシャよりも実力が上だし、前回のコートジボワールはドログバを筆頭にベテランばかりでしたが、今回のセネガルは攻撃陣に若く、生きのいいアタッカーが揃っている。コロンビアには前回1−4と惨敗しましたが、そのときは負傷欠場だったエースのファルカオが今回はいます。
「日本は弱い」ことを改めて認識すべき
――コロンビアのメディアは「最高の抽選結果だ」と報じているようです。
おそらくポーランド、セネガルも同じように思っているんじゃないですか。とくに日本戦での勝点3は堅いぞ、と。だから、日本が「恵まれた組み合わせ」だとか、「決勝トーナメント、行けるぞ」なんて勘違いしていると、1分2敗と惨敗したブラジル大会と同じ失敗を犯すことになりますよ。
「日本は決して強くない」「日本は弱い」ということを改めて認識することから、準備を始めなければなりません
――決して強くないということを改めて突きつけられたのが、11月のヨーロッパ遠征でした。11月10日のブラジル戦は1−3、14日のベルギー戦では0−1で敗れました。この2試合に関しては、どうご覧になりましたか?
ブラジルもベルギーもベストメンバーではなかったし、本気を出していないのは明らかでした。そんな相手に、日本は勝機を見出せなかった。日本戦に関してベルギー国内でどう報じられたのかは知りませんが、少なくともブラジルでは「日本に勝った」というニュースは、ほとんど報じられていません。
ブラジルにとっては文字通り「テストマッチ」だったわけです。それなのに日本国内では「ブラジル戦の後半は善戦した」とか、「ベルギー戦は惜敗だった」という報道が見られましたが、国民を騙すような報道はいい加減、止めなければいけません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら