セルジオ越後「負けたら解任の危機感を持て」 ワールドカップまでの6カ月をいかに戦うか

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――12月9日には、日本、韓国、中国、北朝鮮の4チームが争うE−1サッカー選手権(旧東アジアカップ)が東京で開幕します。インターナショナルマッチウイークではないので欧州組を招集できないですから、国内組にとって最後のテストの場となります。

もちろん、国内組の見極めもテーマのひとつですが、僕は優勝を求めます。東アジアで勝てない監督がワールドカップで勝てるわけがないし、東アジアの大会でチームを優勝へと導けない選手を日本代表に加えても、ワールドカップで勝てるわけがない。そもそも本気で優勝を狙わなければ、選手を見極められるわけもない。

2年前の中国大会で日本は最下位に終わったけれど、案の定、そのチームから日本代表に定着した選手はほとんどいない。今回はホームでの開催なんだから、優勝できなかったら監督はクビという世論を作り上げるべきでしょう。そうじゃなければ、森保監督率いるU−20日本代表を参加させたほうが、日本サッカーにとってよっぽど有意義だと思います。

12月と3月はどう戦うか

――E−1サッカー選手権が終われば、ワールドカップ前のインターナショナルマッチウイークは3月しかありません。開催国のロシアあたりと戦えるといいのですが。

もちろん、海外に遠征して強豪と戦えるに越したことはないですが、今回ばかりは、国内でも有意義な親善試合を組める案があります。

セルジオ越後(せるじお えちご)/1945年ブラジル・サンパウロ市生まれ。日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。1972年に来日し藤和不動産サッカー部(現:湘南ベルマーレ)に所属。エラシコというフェイントの創始者といわれる。現在はH.C.栃木日光アイスバックスのシニアディレクターや、JAFA(日本アンプティサッカー協会)スーパーバイザーとしても活動中(撮影:今井康一)

――と言いますと?

ワールドカップ予選で敗退した強豪国――イタリア、オランダ、チリの3チームを招いて親善試合を開催するんです。イタリアにとっては新監督の初陣になるかもしれないし、GKブッフォンのラストゲームになるかもしれない。

オランダにはロッベンやストロートマン、チリにはビダルやサンチェスといったワールドカップで見たかったビッグネームがたくさんいる。日本代表の強化としても相応しいし、注目度も高まりますよ。

とはいえ、ワールドカップのこの3チームを差し置いて日本がワールドカップに出場するわけですから、甘い準備をしていたら失礼です。12月のE−1サッカー選手権も、3月のテストマッチも負けたら監督解任という危機感を持って戦ってもらいたいですね。

(文中一部敬称略)

飯尾 篤史 スポーツライター

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いいお あつし / Atsushi Iio

東京都出身。明治大学卒業後、サッカー専門誌の編集記者を経て2012年からフリーランスに転身、スポーツライターとして活躍中。『Number』『サッカーダイジェスト』『サッカーマガジン』などの各誌に執筆。著書に『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成に岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(ベスト新書)などがある。

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