セルジオ越後「負けたら解任の危機感を持て」

ワールドカップまでの6カ月をいかに戦うか

――この遠征では、これまで日本代表の中心だった本田圭佑(パチューカ/メキシコ)、香川真司(ドルトムント/ドイツ)、岡崎慎司(レスター/イングランド)が招集されなかったことも、話題になりました。

香川自身も言っていたようですが、なぜ、今なのか、僕も疑問に思います。彼らはアジア最終予選の途中からベンチを温めることが多くなっていたんだから、もっと早い段階で外すタイミングがいくらでもあった。

それなのに、なぜ、ヨーロッパ遠征で外したのか。もしかしたら、ハリルホジッチ監督は保険をかけたんじゃないですか? ブラジル、ベルギーに惨敗して解任論が巻き起こったら、「3人を呼ばずにテストを優先したから負けたんだ」と言い訳をするために。

本田・香川・岡崎の3人を呼ばなかった背景を分析するセルジオ越後氏(撮影:今井康一)

――そう勘ぐりたくもなるような、不自然なタイミングだったと。

そうですね。残念なのは、本田、香川、岡崎の3人が外れたからといって、世代交代が進んでいるわけではないことです。

新しい選手が彼らを押しやったわけではなく、彼らが衰えただけ。彼らに代わってスタメンを張っている大迫勇也(ケルン/ドイツ)、原口元気(ヘルタ/ドイツ)、久保裕也(ヘント/ベルギー)はヨーロッパで活躍しているわけでも、日本代表で結果を残し続けているわけでもない。

かといって国内組から生きの良い選手が出てきたかというと、そうでもない。杉本健勇(セレッソ大阪)も長澤和輝(浦和レッズ)もインパクトは残せませんでした。

ハリル監督の攻撃姿勢は

――ハリルホジッチ監督は前線から積極的にボールを奪いに行き、相手に自由に攻撃を組み立てさせない、いわゆるハイプレスを敢行させました。4年前のブラジル大会で率いたアルジェリアでも、そうした戦術でチームをベスト16に進出させています。

そうした姿勢はブラジル戦でも、ベルギー戦でも見えました。でも、ブラジル戦では開始10分で早くも先制されて、腰砕けになってしまった。

それにハイプレスのサッカーでは90分持たない。あれはガタイが良くてフィジカルの強いアルジェリアだからハマったスタイルで、日本人に同じサッカーは無理だと思いますね。2010年の南アフリカ大会で岡田ジャパンがやった超ディフェンシブなサッカーのほうが結果を出せる。

今年、浦和レッズがACL(アジア・チャンピオンズリーグ)を制して10年ぶりにアジア王者になりましたが、レッズも必死に守ってワンチャンスをモノにするスタイルで優勝した。今の日本代表も、時間帯によっては引いて守ってカウンターを狙わないと勝てないでしょう。

でも、そうした戦い方を試す時間ももうなくなってきている。強豪チームとテストマッチを行える機会は、もう来年の3月しかないですから。

――その点で残念だったのが、予選を突破した直後の10月のテストマッチでしたね。国内でニュージーランド、ハイチとの対戦でした。予選の大詰めで対戦相手が限られているとはいえ、日本より予選突破が遅かった韓国は敵地でロシアと、スイスでモロッコと対戦しましたから。

その通りだと思いますね。交渉が下手なのか、交渉に出遅れたのか。遅いということで言えば、東京五輪代表チームの立ち上げも遅いと思います。

10月、森保一監督の就任が発表されて、12月のタイ遠征(M−150カップ)でチームが立ち上げられますが、去年のリオ五輪が終わった時点か、少なくとも今年の頭には監督を決めて、今年5月のU−20ワールドカップ、10月のU−17ワールドカップもその人物が総監督の立場で視察すべきだったと思います。東京五輪で本気でメダル獲得を狙うなら、それぐらい早くから準備を進めるべきでしょう。

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