セルジオ越後「日本代表への錯覚」をなで斬り 会場に集まった120人の読者を前に緊急提言

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現在の日本代表には1戦目のコロンビア戦で負けたらチームが崩壊してしまうというくらい強いプレッシャーがかかっているでしょう。W杯で戦えるチームというのは急にできるわけではありません。

8年前、4年前から着実に積み重ねていく長期的な努力が必要です。ロシアまでもう残された時間はありません。いくら監督を替えたからと言っても、そう簡単に奇跡は起こらないでしょう。

ですが、次のカタールW杯まであと4年あります。だから4年間過ぎた後に「まだ1カ月あるから十分に修正できる」というセリフだけは避けて欲しいですね。

選手を強化するためにはピラミッドの頂点だけを強化しても意味がありません。ピラミッドの底辺を拡大し、かつ強化することで、頂点がより際立つのです。

層の厚さ、海外に比べた競争文化の違いなども有りますが、今の日本の制度のままでは海外の強豪国のようなチームを作るのは難しいと言うことを忘れてはいけません。

学歴を重視する日本社会や学校の部活制度の改革、補欠制度を廃止して人材を増やすなど、強い選手を輩出するためのピラミッドをたくましくする努力が必要です。これはサッカーだけの話にとどまらず日本のスポーツ界全体の課題です。

結果を出すことに集中して欲しい

――最後になりますが、このロシア大会に挑むメンバーにはどのような戦いを見せて欲しいと考えていますか。

今回選出されたベテラン勢には最後のワールドカップになる可能性が高いです。だからこそ、すべてをかけて、「最後の最後に俺らはW杯できちんと結果を出した」といえるように集中してやって欲しい。コロンビアとのリベンジも「根性があるなら返せ」といいたい。日本代表はこんなものじゃないというところを見せられる試合をして欲しいと思います。

当日、会場に集まっていただいた読者120名と一緒にセルジオ越後氏を囲んで記念撮影(撮影:今井康一)

そして日本代表の初戦は19日(日本時間21時)から始まりますが、14日から開幕する他の国の試合も見て、日本とどれくらい違うのか? 何が足りないのかということを比較しながら試合を見て欲しいと思っています。4年に1回の結果だけで色々と言っても仕方がないのは事実。その結果を見守ってください。私も結構長く見守っていますから。

(文中一部敬称略)

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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