人生100年は「身体が不自由」だと不幸なのか 目が見えなくても「ヤラシイDVD」買う生き方
46歳で念願の女性になった彼女だが、実は今、思わぬ問題に直面していた。女性となったことで、これまでの“オネエ”キャラとしてのいじり方がコンプライアンス的に許されず、「テレビ番組で扱いづらくなった」と番組制作サイドから言われるというのだ。
女性となることを決めた時、その後の女性としての人生とこれまでの男性としての人生がちょうど半々ぐらいになると考えていたが、100歳まで生きるとなると女性としての人生のほうが長くなる。男性としての人生があれだけ辛かったのに、これから女性としてもっと辛いんじゃないか、そう思うと「100歳まで生きたくない」と言い切った。
「扱いづらい」という意見について、千原ジュニア氏は「それは“慣れ”の問題で、そのうち今のKABA.ちゃんに慣れてくる」と励ました。でも2人は「長く生きたくない」という点で意気投合したのだった。
“体動かなくなった大先輩”からのアドバイス
すると「100年も生きようとしている人たちって大変だなって。私、将来、長く生きないで死ぬ予定なんで、あまり気にしてないんですよ」と、あっけらかんと言い出した人がいた。NPO法人理事長の海老原宏美氏。進行性の難病のため、車いすだけでなく人工呼吸器が欠かせなくなってからは、大好きな日本酒をストローで飲まなければならなくなったことが残念だという、明るくサバサバとした女性だ。
彼女は、多くの人が長生きしたくないと思う理由には、おカネや健康、仕事の不安もあると思うが、特に「元気なまま100歳まで生きられないこと」に対する不安が大きいように感じると指摘した。
「私は“体動かなくなった大先輩”だけれど、不自由な部分があっても、制度が整っていて活躍できる場があって、そうした社会的な体制が整っていれば、全然生きやすい。生きていて楽しいんですよ。今は皆さん、自分で頑張って何でもできる状態だから先行き不安になるのかもしれないけど、私はすでに老後みたいな生活を送っているので“いや、大丈夫だよ”って感じている」
思うように動けなくなっても、その中に生きている自分は変わらないのだから、物理的なことにこだわりすぎないほうがいいよ。もし将来が不安なら、みんなで社会の体制を整えていきましょうね、というアドバイスだった。
続いて「圧倒的に100歳まで生きたい。世の中は1日1日良くなると僕は思っていて、100歳になる頃には、僕の目も見えるようになるかもしれないしね」と笑顔で語ったのは、弁護士の大胡田誠氏だ。
12歳で視力を失い、日本で3人目の全盲の弁護士となった。自動運転車で妻と子どもをドライブに連れて行くことが夢だという大胡田氏は、とびきりポジティブな意見を聞かせてくれた。
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