人生100年は「身体が不自由」だと不幸なのか 目が見えなくても「ヤラシイDVD」買う生き方
今回はゲストとして、2年前に“女性”になったKABA.ちゃんと、ひとり芸のコンテスト「R-1ぐらんぷり」で優勝した“ほぼ全盲”の漫談家・濱田祐太郎氏が出演した。さらに番組アシスタントは、女の子として生まれ今は男性として活躍する“オニイ”タレント、ナレーションを担当するはゲイのベテラン声優・三ツ矢雄二氏と、メンバーは個性派ぞろいとなっている。
「B面談義」の企画のきっけとなったのは、一昨年まで「あさイチ」のディレクターをしていた筆者が、福祉番組に異動となり、視聴者調査にかかわったことだった。
通常「ハートネットTV」は、福祉の問題を深く掘り下げ、当事者や支援者に向けた情報を発信している。調査では福祉番組の重要性が認められる一方で、「関心はあるがとっつきにくい」「なかなか接点がない」といった意見も多かった。そこで、ワイドショーでも話題となるような共通のテーマについて、いわゆる“マイノリティ”と呼ばれる皆さんと世間話をすることで、”知る“きっかけを気軽に作ることができないか、と考えたのだ。
人生100年時代の到来に、濃すぎる面々は何を思うのか? その答えは、なかなかエッジの効いたモノだった。
“おじいちゃん”になれない?なっちゃう?
「B面談義」のメンバーは、それぞれ思いもしない悩みを持っていた。弁護士でゲイの南和行氏は冗談交じりに、ある不安を語った。
介護現場では、性的な問題を避けるために介護する人とされる人が同性であることが基本とされている。よって男性の南氏の介護者も男性となることが予想されるが、100歳になり抑制が効かなくなった場合、ゲイである自分が男性介護者にセクハラしたら困るというのだ。「どんだけスケベやねん!」という突っ込みで笑いに包まれたスタジオだが、実は、性的な対象が異性であることを前提とした同性介護の原則によって、すでに今、気まずい思いをされているゲイのおじい様がいるかもしれない、と心配にならざるを得なかった。
一方「おばあちゃんになること」が不安だと話すメンバーもいた。生まれ持った女性としての体に違和感を持ち、今は男性として活躍する“オニイ”タレントの諭吉&シュートだ。
ホルモン注射などによって男性的な容姿になっている2人だが、数十年という長期間にわたってホルモン治療を続けた人を見たことがないため、100年生きた結果、果たしてずっと男性的な体でいられるかわからず、「おばあちゃんの容姿になったら嫌だ」と言うのだ。
そこで思わず「それじゃあ、私もおじいちゃんになっちゃう?」と叫んだのは、2年前に性別適合手術を終え、戸籍上も女性となったKABA.ちゃんだった。男の子として生まれたが、小さな頃から“女性”でいたかった。しかし中学校時代には、学ランを着るだけでなく丸坊主を強いられるなど、辛い思いをしてきた。当時は女性になる選択肢はなく、男性として男性が好きな、いわゆる“オネエ”として生きていくしかないと諦めてきたという。
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