100年人生に「定職・持ち家・引退」は不要だ! 「既成概念をぶっ壊す!?」緊急討論会
オフィスレスの時代がいずれ来る
杉本 りうこ(以下、杉本):『週刊東洋経済』副編集長の杉本りうこと申します。『ライフ・シフト』では、今後「教育」「仕事」「引退」という単線的な3ステージが崩れて、多層的な人生になると言っています。なぜ3ステージが崩れるのか、簡単な自己紹介とともにお答えいただけますでしょうか。
孫 泰蔵(以下、孫):Mistletoe代表の孫泰蔵です。今日はよろしくお願いいたします。経済学で経路依存性(パス・ディペンデンシー)という言葉があるのですが、人間は一度慣れ親しんだ環境を変えたがらない傾向にあります。インターネットが普及して、本来ならどこでも仕事ができるのに、なんとなく東京から離れられず、未だに満員電車に揺られてつらい思いをしながら通勤している。分業も進みすぎて、自分の仕事がお客様に届いているかどうかもよくわからない。資本主義が煮詰まって自己疎外になっているから、こうした考え方がクローズアップされてきたのではないでしょうか。
尾原和啓(以下、尾原):僕が今日ここに呼ばれたのは、なんとなく『ライフ・シフト』的な生き方をしているからだと思うんです。現在はバリ島のウブドを拠点に、フリーで13職、33のプロジェクトを動かしています。完全にリモート体制に入ったのは1年半くらい前で、以前はGoogle Japanのシニアマネジャーとして新規事業に携わっていました。上司は海外にいて、いつもビデオ会議なので、日本にいなくても良いのではないかと。
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