100年人生に「定職・持ち家・引退」は不要だ! 「既成概念をぶっ壊す!?」緊急討論会
尾原:そこで月10万円で掃除サービスとプールつきの家に住めるバリ島に移住してみたら、まったく問題ありませんでした。ほとんどの仕事はリモートワークでできるはずなのに、なぜかみなさんやらないですよね。この状況は5年前にペーパレス化が叫ばれていた時代に似ています。今では紙を使わずプロジェクターとパソコンを使った会議がデフォルトになったように、いずれオフィスレスになっていくのは間違いないと思います。
宮澤 弦(以下、宮澤):今日はヤフーの新しい本社にお越しいただいてありがとうございます。僕はもともと起業家でしたが、ヤフーに買収されて、起業家と大企業の役員という2つの人生を歩む形になりました。両方の立場から、何かお役に立てるお話ができればと思います。ヤフーは若い会社なので働き方はかなり自由で、軽井沢から新幹線で通っている人もいれば、週末は副業で写真の講師をしている人もいます。月に5回までオフィス以外の好きな場所で仕事をしていい「どこでもオフィス」という制度もあります。社歴も20年しかありませんから、20世紀の慣習的な価値観を持つ企業とはだいぶ違いますよね。
古すぎるOSをどう入れ替えるか
杉本:ヤフーでは申請すれば副業が認められるそうですね。しかし、世の中で副業をしている人は、就業人口のわずか3%にすぎないそうです。企業が副業を認めない理由は、1つ目が「人材が流出するから」、2つ目が「本業に支障が出るから」、そして3つ目は、「会社の秩序が崩れるから」だそうです。
宮澤:「会社の秩序」ですか。『ライフ・シフト』を読んで最初に感じたのは、副業をはじめ、これまでのロールモデルが通用しないという価値観を、大企業の社員全員に浸透させるのは相当な時間がかかるなということです。小さい会社なら1日で社員の頭の中のOSを入れ替えられますが、大企業は半年くらいかかると思います。変化の求められる時代には、大きい組織ほど、ハンディが大きいのではないかと。
尾原:日本が発展したのは、年功序列で一斉行進をしたからですが、その勝ちパターンが成功体験としてあまりにも強く残っている。上司の世代はなかなかその成功体験を捨てられないのですが、OSはどんどん古くなっていくので、変えなければ競争力を失っていきます。
杉本:OSの入れ替えに成功した国はあるのでしょうか。
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