私は、これを「技化(わざか)」と呼んでいます。文字どおり自分の技として体得するという意味です。毎回毎回試行錯誤ではなく、この部分は意識しなくてもできるという得意技が増えてくると仕事にも余裕が生まれ、楽しくなります。今度の仕事ではこれを技化しよう、この1年でこれを技化しよう……などテーマと期間を決めて技を身につけ、積み上げていくとよいでしょう。
成果をあげる人には強いマインドがある
●思考・行動特性:明文化していつでも自分の気持ちに着火できるようにする
思考や行動の特性=マインドはなかなか身につけるのが難しそうと考える方も多いと思いかもしれません。しかし、これも意識的な行動の積み重ねで身につけることができます。
私の経験でお話しすると、独立して執筆をメインに仕事をしていくことになったときに、もっと早くもっとよい本を書くにはどうしたらいいかを研究しました。セミナーに通ったりもしましたが、本を書いている方に会うと毎回同じ質問をしたのです。「どういう気持ちで本を書いていますか?」という質問です。
さまざまな答えをいただきましたが、自分の心に響いた言葉は「自分の子どもに読んでもらいたい、読んだときに助けになるような本を書きたいと思うと、つらくても書ける」というものでした。ほかにも「誰かわからない大勢に向けてかっこいいことを書こうとしてはいけない。ただ一人の人の役に立ちたいと思って書くと結果的にみんなの役に立つ」という言葉もありました。これらは今私が本を書くときの気持ちに着火する言葉になっています。
マインドというと気合のように思われるかもしれませんが、成果をあげる人はやはりしっかりとした指針があります。それらを聞き出し、明文化しておくことでつらくなったときやあきらめそうになったときに気持ちの着火剤の役目を果たしてくれます。周囲の尊敬する人の言葉でもよいですし、歴史上の方の言葉も助けになります。スピードスケートで見事金メダルを獲得した、小平奈緒選手の座右の銘は「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」というインド独立の父マハトマ・ガンジーの言葉だそうです。
コンサルタント時代の戦友とも言える友人は、「魂の言葉集」と銘打って、大勢のコンサルタントたちから、自分を励ます言葉をアンケートで集めていました。その胸を打つ言葉の数々を見ていると、やはり成果をあげる人には強いマインドがあり、それを支えるのは言葉なのだということに気がつきました。自分の気持ちに着火する言葉をぜひ探してみてください。
ご紹介したこれらの方法が皆様の次の一歩を踏み出すものになることを願っています。
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