たとえば、新規事業の立ち上げという成果をあげたい場合。知識としては、顧客や市場の知識やITなどの専門知識や財務、法律など、さまざまな知識が必要です。また知識だけではなく、市場を分析したり、仮説を論理的に立てて検証したり、アイデアを形にしたり、それを伝えるためのプレゼンテーションスキルなど、知識を活用する技術(スキル)が必要です。さらには困難な状況の中でもあきらめずに達成しようとする思いや、顧客のことを徹底的に考え抜く行動特性などマインド面が伴わなければ、いくら高度な知識や技術があっても成果に結び付かないでしょう。
もし、なかなか成果に結び付かない……と悩まれている方は自分の目指す成果をあげる実行能力として何が必要なのか、3つの力をできるだけ細分化してみてください。自分の周囲で成果をあげている人を観察してみてもよいですし、直接その人にどんな知識やスキルが必要なのか、どんなことを心掛けて仕事をしているのかを聞いてみてもよいでしょう。
実行能力を身につけるためのポイントは、この3つをどれだけ細分化するかです。細分化すると一つひとつが習得しやすくなるからです。体操の金メダリスト内村航平選手は、「わずか2秒程度の跳馬の技にチェックポイントが200個あり、それを一つひとつできるようにしていった」と話をされていました。ビジネスは毎回同じことをするわけではありませんが、どんな状況でも成果を出せる再現性をもって、細かいこと一つひとつができる状態になっているかが重要です。
3つの力が使える状態とは?
では、3つの力はどのような状態であれば使える状態になるでしょうか。
●知識:構造化して検索可能な状態にする
まず、知識ですが闇雲にたくさんの知識があればよいというものではありません。仕事で必要なときに引っ張り出せるよう検索可能な状態にしておく必要があります。何かをするときに、「ええと、あれは何だっけな?」という状態ではなく、「重要なことはこの3つ」など引っ張り出せるようにしておくわけです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら