そのためには、知識を詰め込むのではなく、構造化しておきます。構造化とは全体と部分をはっきり認識できるようにしておくことです。今の時代、すべての詳細な情報を覚える必要はなく、パソコンのハードディスクに詳細な情報は任せておけばいいのですが、重要なことや本質的なことは自分の言葉でしっかりと構造化しておきましょう。
やり方としては、重要なことを3つにしぼったり、図解などで知識や情報を整理してみるとよいでしょう。図解は全体と部分をしっかりと目に見える形にするものですから、もし図解できないのであれば、それはまだ理解できていない状態だということで、到底仕事で使えるレベルではありません。
構造化しようとすると、自分が理解していると思っていたことが実は単に「知っている」だけのレベルであることに気づくことも多いものです。勉強したのに仕事に活かせない人の多くは「知っている(つもり)」レベルであることが多いので、ぜひ構造化して深い理解レベルを目指してみましょう。
自然に体が動くレベルにしておく
●技術:技化(わざか)していつでも再現可能な状態まで
技術(スキル)も知っているレベルにとどまりがちですが、スキルはいつでも再現可能な状態を目指しましょう。できれば、自然に体が動くレベルにしておくことをおすすめします。私はプレゼンテーション研修の講師などもしていますが、もともとは人前で話すことはかなり苦手でした。駆け出しのコンサルタントのときに教えてもらったのは、自己紹介を完璧にすることでした。どんなに緊張した状況で頭が真っ白になったとしても、自己紹介では言葉がつまることもかむことも声がうわずることもないくらいまで、何度も練習をしたのです。その結果、発声、滑舌、姿勢、表情など多くのことを体得することができました。
一度体得したものは、その後しばらくしても再現可能ですし、自信につながります。体を使うスキルだけではなく、たとえば、資料作成やプログラミングなどの仕事の進め方を意識しなくても頭や手が動くところまで極めるのです。すると次に新しいことにチャレンジする際には、その部分は力を入れる必要がなく楽にできるので、差分やより本質的なことに集中することができます。
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