「ほぼ日」の母が、40代で最高に輝ける理由 母の正念場は、言い訳のきかない40代?

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こうして、留学後は東京に帰国し、マッキンゼーの東京オフィスでコンサルタントなった。

マッキンゼーでまさかの挫折、そして外資へ

ご存じマッキンゼーは、世界中からきら星のごとき才能が集結する職場だ。篠田さんの同僚の女性陣も、本田桂子さん(多数国間投資保証機関(MIGA)の長官)、川本裕子さん(早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授)、勝間和代さん(経済評論家)といったそうそうたる名前が並ぶ。

「4年間、ヘルスケア業界のマーケティングや組織改革などの仕事を行い、仕事はとても楽しかった。でも、この組織で私は生まれて初めて、『求められるレベルにどうしても到達できない』挫折を味わうことになるのです」

マッキンゼーは、「UP OR OUT(昇進か、さもなくば退社か)」の世界だとはよく知られた話だ。

「入社2年で次はマネジャーを目指せと言われても、当時は、なぜ急いで上を目指さなければいけないのか理解できませんでした。優秀な人のプライドをたきつけて頑張らせる会社なのに、そこに気づかず、インターン時代に褒められた “素”のままで勝負できるとでも勘違いして、ただの痛い人になってしまった」

そのうち、「このままでは駄目だ」「次のプロジェクトで建て直さなきゃ駄目だ」と上司の駄目出しが続くようになった。

「結局、最後は『マネジャーにするのは難しい』とハッキリ言われました。要はここでオシマイよと。大好きな組織だったので、ガーンとそれはもうショックでしたね」

34歳にして「戦力外通告」を受け、篠田さんは「自分が何をしたいのか?」まったくわからなくなってしまったと言う。

「もとを正せば、マッキンゼーだって、サマーインターンで褒められ、得意の思考停止で入っただけ(笑)。金融機関は、毎日繰り返す具体的な作業が自分に合わないし、国際機関は意外に官僚的で、自分に向かないことは留学してみてわかりました」

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