時短正社員の適正賃金とは?
2012年より法律で「3歳までの児を持つ職員が6時間時短勤務を申請されれば拒めない」こととされ、同時に「6時間勤務の場合ならば、75%の賃金支払い」も義務化された。しかしながら、現場レベルで「ウチはうまくいっているよ」と心から言えるケースを私は知らない。大抵の場合は、周囲の支援(周囲からの搾取とも言える)が不可欠で、要するに誰かを犠牲にしているケースが多いのだ。
そもそも、「6時間勤務で75%の賃金」という賃金の計算式が、仕事における事実上の生産性とは懸け離れているケースが多い。「ホワイトカラー系の業務」においては、仕事の生産性は単純に労働時間に比例するものではなく、往々にして仕事の難度も労働時間に比例し、その結果として仕事の生産性は「労働時間の2乗に比例」することが多い(左図)。
また、日本の一般的な正社員の賃金には、暗黙の了解として2時間程度のサービス残業が含まれているものである。よって「(1日2時間のサビ残を含む)正社員のパフォーマンスを100%」とすると、「残業免除社員はその64%」であり「6時間勤務は36%」となり、これは日常業務における実感にかなり近い数字でないかと思う。賃金そのものは「残業免除社員は100%」「6時間勤務は75%」なので、コストパフォーマンスとしては「サビ残正社員」の1.56倍および2.08倍となる。
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