自分自身の抱いた違和感を無視しないことから
だから、ここからは、その言葉を引き出した僕たち自身が重要になる。暑かったから炭酸飲料を飲んだという主張について、そうですねとただ相づちを打っているかぎり、そこには何の問いも生じない。当たり前の世界しかない。
しかしそのとき、もし自分自身が何かしらの違和感に気づいてしまうとしたら、それが本質直観を始めるきっかけになるのだ。
なぜ? と相手に問いたくなる気持ちは、自分自身に折り返す。そして、相手の生活世界を確認しながら、自分たちをとりまく常識を問い直すのである。当たり前や常識を問い直そうと言うのはたやすい。本質直観は、そのための具体的な方法の一つだと思う。
【初出:2013.9.21「週刊東洋経済(アップル再起動&電子部品サバイバル)】
※「理論+リアルのマーケティング」は今回が最終回です。1年間、ご愛読ありがとうございました!
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みずこし こうすけ / Kosuke Mizukoshi
1978年生まれ。2000年神戸大学経営学部卒業、2005年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。2005年より首都大学東京、同大学院研究員を経て、2007年から首都大学東京大学院 社会科学研究科 経営学専攻 准教授。専攻はマーケティング論、商業論、消費者行動論。学術分野のほか、民間シンクタンクでの研究活動などを通して、新しい価値の創造を目指す。教育活動として、ユーザー参加型製品開発プロジェクト「Sカレ」の参加学生指導などにも力を注ぐ。著書に『企業と市場と観察者――マーケティング方法論研究の新地平』(有斐閣、2011年)、『Q&A マーケティングの基本50』(日本経済新聞出版社、2010年)、編著に『マーケティング・リフレーミング――視点が変わると価値が生まれる』(有斐閣、2012年)、『仮想経験のデザイン インターネットマーケティングの新地平』(有斐閣、2006年)、共著に『マーケティングをつかむ』(有斐閣、2012年)、『病院組織のマネジメント』(硯学舎、2010年)、『ビジネス三國志 マーケティングに活かす複合競争分析』(プレジデント社、2009年)、『マーケティング優良企業の条件 創造的適応への挑戦』(日本経済新聞社、2008年)。 ⇒【Webサイト】【Twitter(@mizkos)】
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