ソーシャルメディアは本当に役に立つか?

蒸気機関とキットカットの事例からSNSの可能性を問う!

企業を悩ませる、ソーシャルメディアとの付き合い方

著者:水越康介(経営学者、首都大学東京准教授) 撮影:今井康一

最近、ソーシャルメディアに関する研究会で報告させてもらう機会があった。多くの企業の悩みは共通しているようで、一言でいえば、ソーシャルメディアとの向き合い方を決めかねている。時代の流れからして、無視するわけにはいかないが、そもそも何をすればいいかわからない、そんな感じだ。

Twitterがはやれば、口コミの効果を期待する。Facebookユーザーが増えてくれば、エンゲージメント(情報を見てもらうだけでなく、アクションをとってもらうことだ)を高めるべくコミュニティサイトを立ち上げてみる。mixiやGREEにも目配せしながら、少しずつ新しいソーシャルメディアを利用してみる。運用する中で、初めてわかってくることもあるだろう。

とはいえ、そう簡単に大きな効果が上がるわけではない。やっぱり駄目なのかなと思ってしまう。どうすればいいのだろう……僕自身も研究会では答えを出せなかったのだが、一人の方の指摘になるほどと思った。

その方が言うには、僕たちは、ソーシャルメディアの使い方だけを考えている。だから、対応が小手先になってしまい、うまくいかない。むしろ、逆の見方をしたらどうか。ソーシャルメディアをマーケティングに役立てようと考えるのではなく、ソーシャルメディアに合わせて、わが社はどう変わらねばならないかを考えたらどうかと――。

この視点の切り替えは斬新だった。そんな思い切りのいいことはできないと思うかもしれない。しかし、だとすれば、ソーシャルメディア談義はここまでだ。世の中の変化を静観しているしかない。

せっかくだから考えてみたらどうだろうか。変わらねばならないのは、われわれのほうなのだと。そう思ったとき、技術として、そしてメディアとしてのソーシャルメディアに関連しそうな話がいろいろと思い浮かんだのだった。

 

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