滝クリ「お・も・て・な・し」ブームが日本を変える 2020年に、“お・も・て・な・し”ジャパンができること

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“お・も・て・な・し”ムーブメントが日本を変える

上海に飛ぶ前に香港でNHKワールドを見ていたら、たまたま1960年代の東京オリンピックの模様が映ってきた。当時は戦後の復興から高度経済成長を謳歌する時期で、建物などのハードインフラが急速に作り上げられた時期であり、日本製品は今のように信頼できる高級品としてのステータスでなく、安い賃金と安い価格で世界に市場を広げていた時期である。

テレビに映る街行く人々も、言っちゃなんだが髪型がダサく、服も体系もぼってりしていて、今の東京のような洗練されたソフトパワーはいっさい感じない。だからこそ楽しみなのは、7年後の“お・も・て・な・し”ジャパンが世界の人々を、どれだけ驚かせることができるだろう、と。

以前、JTBに勤める方で、外国人観光客の日本国内旅行を担当する方(ちなみにとっても美人)にお話を伺ったことがあるのだが、御自身も幼少期海外で長らく暮らすうちに、海外の人に日本のよさを伝えたい、という思いが強くなったのだという。私はこのJTBで働く友人および読者の皆様が抱く強い思いが、成功裏に実現されることを強く支持する。

日本は総じてすばらしい点の多い社会だが、心の中で「こういう日本であってほしい」「こういう社会でありたい」「こういう日本だと信じたい」「こういう日本だと世界に知ってほしい」という思い描く像と現実には、原発問題やヘイトスピーチ問題など、実は乖離点も多い。

これを今後7年間の“お・も・て・な・し”ムーブメントでどれだけ“思いと現実”のギャップを埋めることができるだろうか。2020年の“お・も・て・な・し”ジャパンの奮闘に、期待したい。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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