ロンドンも、人が随分親切に
五輪後にその都市のいわゆる“民度”が上がるのは中国に限らない。最近いたロンドンも、私の中では長らく不親切度ヨーロッパナンバーワンの座を占めていたが、やたらと親切になっているのだ。その昔、街で“チャイナマン”とかおちょくられたものだが、外国人用のインフォメーション係も充実し、街行く人もやたらと親切に案内してくれる。
もとから外国人の多い都市だったが、今では“世界中の人に愛され、住み易い都市”として位相がさらに高まっている。実際、私の世界中の友人も働きたい都市ナンバーワンにロンドンを挙げることが多い。
こういうときに日本の東京を挙げる人はあまりいない、というか聞いたことがないのだが、7年後の東京オリンピックを経た後、日本の国際的な民度も飛躍的に向上しているのだろう。
五輪開催で自信を得る、未来の日本人
さて、今回の東京五輪開催に向けて日本人は自信と余裕を取り戻し、国際社会に対し建設的な役割を増やしていくだろう、と期待を込めて予想したい。20年を超える経済停滞や特にここ数年の国際社会での相対的地位低下と、中国にGDPでも抜かれ存在感が消えていく中で、個々では異なっても、全体的に心に余裕がなくなり、内向きに排外的になっていく傾向が続いてきた。特に一部の人は伝統的な日本文化と相いれない、下劣で下品な言動で排外的な言説やデマをメディアにまき散らしてきた。
しかし今回、東京にオリンピックがやってきて、再度、日本が世界から注目を浴びることとなった。このことは日本に“国際社会から無視されていない”という自信を与えるのみならず、“外部からの視線”を過度に気にする、もっと言えば欧米からの視線を過度に気にする国民性も相まって、内向きの排外主義ではなく、どのようにすばらしい日本を国際社会に訴えるか、に関心の軸足がシフトするだろう。
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