東京だけでも、星の数ほどあるホテル。どれも大差ないと思ったら、大間違い。一歩足を踏み入れれば、そのホテルにしかない、魅惑のストーリーが展開している。
レジャーとしてのホテルを知れば、より日常が楽しくなるはず――。この連載では、注目のホテルの総支配人を訪ね歩き、知られざるホテルの物語を発掘していく。
創業30周年を迎えた、千葉・舞浜の東京ディズニーリゾート(TDR)。東京ディズニーランド(TDL)、東京ディズニーシー(TDS)の2パークには年間約2800万人もの人々が訪れる。
全国から集まる客の中には、近隣のホテル群を利用する人も多い。TDRを運営するオリエンタルランドも近年、自らホテル事業に進出。「ディズニーホテル」として、ディズニーアンバサダーホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、東京ディズニーランドホテルの3つを手掛けている。
3ホテルの中で最も新しいのが、2008年にオープンした東京ディズニーランドホテル。TDLの正面入り口の目の前に立地し、いったん園の外へ出ないと入れない立地ながら、パークと完全に同一の世界観を演出。人気を博している。
現段階で、ディズニーホテルのひとつの完成形ともいえるランドホテル。その魅力について詳しく聞くため、吉岡滋泰総支配人を訪ねた。
TDLの園外とは思えない一体感
――東京ディズニーランドホテルの外観は、隣接する東京ディズニーランドの入口近くにあるワールドバザール(ショッピングアーケード)と統一感を持たせているそうですね。デザインコンセプトについて教えてください。
ディズニーを創設したウォルト・ディズニーが生まれた20世紀初頭は、デザインや建築様式がビクトリア王朝の最後の時期でした。幼少時代のディズニーは、その影響が大きく、それが彼の創造性を刺激して、ミッキーマウスが「生まれて」、アニメから始まってパーク作りに発展していきました。
ですから東京ディズニーランド(TDL)だけではなく、フロリダやカリフォルニアもヴィクトリア調をうまく取り入れています。パークに入った時、最初に見える「キャッチアイ」としてのワールドバザールは絶対にビクトリア調でいこう、とディズニーが考えたわけです。
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