マンチェスターUは、ディズニーに学ぶ アジア部門責任者、ジェイミー・リーグル氏に聞く

拡大
縮小
カゴメとの提携を発表したマンチェスター・ユナイテッド。写真左は往年の名ストライカー、アンディ・コール。

世界の“マンUファン”は、6億5900万人

いかに国内だけでなく、国外の市場から利益を生み出すか――。それが成功の鍵になるのは、サッカー界もビジネス界と同じだ。

そんなグローバルビジネスにおいて、ほかのサッカークラブを大きくリードしているのが、イングランドの名門マンチェスター・ユナイテッド(以下マンチェスターU)である。

ユニフォームの胸スポンサーはアメリカの保険関連会社AONで、1年間の契約料は約30億円。ほかにもスポンサーの看板には、トルコのトルコ航空、スイスのウブロ、イギリスのトーマス・クック、ドイツのDHL、アメリカのシボレーなどが名を連ね、実に国際色豊かだ。

そしてマンチェスターUの最大の強みは、アジアでの圧倒的な人気である。クラブの調べによると、世界に6億5900万人の“マンUファン”がおり、そのうち3億2500万人がアジアにいるという。それゆえにこの名門クラブは、アジアを「第2のホーム」と呼んでいるのだ。

その人気が追い風となり、アジアの多くの企業がマンチェスターUのスポンサーになっている。日本のエプソン、ヤンマー、関西ペイント、東芝メディカルシステムズ、カゴメ、タイのビール会社シンハー、マレーシアの通信会社テレコム・マレーシア、香港の通信会社PCCW、バーレーンとクウェートの通信会社VIVAなど、錚々たる企業が並ぶ。これほどアジア全域からスポンサー収入を得ているクラブはマンチェスターUだけだ。

この絶対的な優位をさらに強めるために、マンチェスターUは2012年春、ヨーロッパのクラブとして初のアジアオフィスを香港に開設した。

いったい彼らは、どんなアジア戦略を描いているのか? 

次ページ参考にしているのは、ディズニー
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT