トルコ人エリートが語る、東京勝利への本音 2020年に向けて、未熟なマスコミは成熟するか?

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ムーギー・キム氏のトルコ人エリートフレンド、ケレムさんが、トルコの敗因と東京五輪のメッセージを送ってくれた

「“韓国・中国、東京五輪招致を妨害か”などという小見出しが、三流週刊誌で踊っている」と、日本に住む友人から連絡が入った。実際には、韓国のIOC委員2人も、中国のIOC委員3人も東京に投票したと一部で伝えられているが、汚染海水問題に揺れる東北の海産物の輸入を韓国が禁止した措置が、一部でやり玉に挙がっているという。

そこでこの度、国際的な視点で国内の閉鎖的な視点に閉ざされた偏見から人々を解放する“世界人民解放軍最高司令官”に満場一致で就任したグローバルエリートが、本日も上海の拠点から出陣させていただきたい。

原発汚染水300トンに関する隠蔽体質

これは国内にいると感覚が伝わらないかもしれないが、フランスだろうがドイツだろうが韓国だろうが、日本国内メディアの箝口令とは異なり、連日、汚染水と政府の無策が五輪招致よりずっと前から報道されてきた。私が日本に行ってきたというと、今、行って大丈夫なのか、と真顔で何度も聞かれたほどだ。

日本で以前、米国産牛肉の狂牛病が騒がれ、国内で米国牛肉輸入反対の声が高まっているときに、アトランタが五輪に立候補しているという理由で、政府が禁輸を先延ばしにしたらどうなるだろうか。

食品の安全に関してまともな関心があるメディアは、汚染水に関する調査報告を五輪招致の後に先延ばししたことなどをより問題視すべきである。近海でつながっている国で海産物を購入してくれている“大口のお客さん”が、安倍政権の原発汚染水をめぐる不透明な対応に不信感を抱くのは理解できることではなかろうか(ただし私はたっぷり、日本の刺身やすしを今も食べまくっているけど)。

ちなみに、韓国は食の安全性に対して国民が極めて敏感で、米国産牛肉の安全性をめぐるデモは世界一激しく、李明博政権が揺らぐほどの大規模なデモが連日繰り広げられたこともここに書き加えておく。

原発汚染水をめぐる政府の対応に関しては日本国内でも批判が強いのはご存じのとおりだ。五輪招致後まで検証報告がなされないとの報道を受けて輸入をいったん禁止したことで、“反日妨害”とか言われたらたまったものではないだろう。

2020年に向けて、幼稚な三流週刊誌に成熟してほしい

それにしても、せっかくめでたく五輪招致が決まったのだから、国際平和の祭典をどう成功させ、どんなビジョンを掲げるかという前向きで建設的で希望と夢のある報道で、週刊誌を売ることはできないのだろうか。

日本のジャンヌダルク・滝川クリステルさんが五輪に向けて「2020年には、(日本社会が)未熟な部分を成長させて、より成熟したすばらしい国になっていてほしい」と語っていたが、その肝心の第一歩は幼稚なメディア人が少しは成長することであろう。憎しみや怒りと芸能人のゴシップでしか稼げない週刊誌は、“お・も・て・な・し”ジャパンには必要ない。

また賢明なる読者の皆様におかれましても、いつも怒りや憎悪をあおってヘイトビジネスにいそしんでいる3流週刊誌に380円を払うのではなく、無料で楽しく勉強できる、国際親善の求道者・グローバルエリートがお届けする“心に優しいヘルシーコラム”を読んで、今日も一日心安らかにお過ごしいただきたい。

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