さらに、スポットライト社の柴田氏は、新しい消費体験を提供するうえでの大きな課題を次のように話す。
「テレビの見方、スマポの使い方、来店の仕方。すべてが新しい体験になるだろう。ただ単に来店する場合に比べて、テレビCMを見てスマポの仮ポイントをもらってから来店する場合では、店頭での購買率、商品への訴求度をどれだけより高められるか。両社の提携で、来店をいかに増やせるか。各キャンペーンの制作物、ストーリーを含め、精度を上げていくことが今後の大きなチャレンジとなる」
テレビCMに触れることで、消費者がどんな気持ちで来店するかを考える。それに合わせて、店頭での仕掛けにどうつなげていくか。「集客から接客へ」というスマポが目指すO2Oの将来像とも一致する。
一連の行動が「ビッグデータ」に
業態を超え、今、ビジネスにおいて最も注目されるキーワードのひとつ「ビッグデータ」。電通、スポットライト社としても当然、将来的にはビッグデータを活用した新たな価値をクライアント企業に提供していくことを考えている。
今回の取り組みが実現すれば、認知から来店に至る消費者のネットとリアルの行動ログが、スマポのシステム上にたまる。各消費者の行動ログは個別のスマポIDで一元化される。スマポが持つデータと店舗の顧客情報を突き合わせると、より詳しい顧客の分析までできるようになるのだ。
たとえば、あるテレビCMを見て、企業のウェブページを訪問して来店したAさんが、過去に同じ店舗に何回来店していてどんな商品を購入したか、といったように。
「当然、消費者、企業からの同意、許諾をきちんと得たうえでの話だが、将来的には消費者の行動データを“横断的に”活用することができるようになる。店舗Bに行く人は店舗Cに行く確率が高い、とか、メディアDに触れている人は店舗Eに行く確率が高い、など。
スマポで、テレビやウェブメディアへの接触、来店、購買などデータがたまれば、データ間の相関関係がより見えてくる。データビジネスおよび、それに基づいた精度の高い広告ビジネス、レコメンデ―ション(商品・サービスのおすすめ)、CRM(顧客関係管理)などに生かすことができる可能性がある」。魚住氏は、将来的なビッグデータ活用への期待を話す。
電通のクライアント企業の間でも、ビッグデータ活用への関心が高まってきている。
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