女性の「解雇規制緩和」のススメ 「育休3年」に異議あり!

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やや極端な例もあるが、ここで4つの具体例を見ながら、考えてみよう(図2)。

・A家は正社員同士の夫婦である。妻の出産に際しては、産育休、妊婦健診・児病気時の有休、親の介護休暇に加えて、育児給付金などの公金補助もバッチリである。退職金・年金はバッチリ2人分もらえるので、子供は3人作った。産育休に加えて育児時短を3年ずつ取り、有給病休も目いっぱい使ったので、かれこれ10年ぐらい細切れキャリアで「パートのおばちゃん」レベルの仕事しかしていない。典型的な「働きません、でも辞めません」正社員となってしまった。

・B家は正社員とパート妻の夫婦、B妻が妊娠時にB夫の転勤話があって泣く泣く退職した。B妻は正社員復職を希望しているが、「2人目を妊娠されたら」と企業に警戒されて、パート以上の職が見つからない。夫の昇給は頭打ち、加えてA妻のやり残した仕事のサービス残業で、帰宅は遅い。退職金・年金も期待薄で、2人目を作る決心ができない。

・C子は独身正社員、もともと責任感の強い性格に加えて「女性にやさしい」企業を選んで就職したら、産育休や時短中の先輩の仕事の穴埋めを一気に任されるようになった。サービス残業や休日出勤ばかりで、学生時代の彼氏には逃げられて、今は婚活するヒマも余裕もない。「いずれはキミも産休を取るんだろ」と、上司は気軽に仕事を押し付けてくる。「このままアクセク働きながら、ずーっとひとりで年を取っていくのかなあ?」と悩むが、年金・退職金は今のところ一人暮らしには十分な額なので、転職する勇気はない。

・D家は契約社員と派遣社員の非正規カップル、D夫はリーマンショックの年に卒業した。ほとんどの正社員女性は男性契約社員を婚活対象として見てくれず、D夫は派遣社員と結婚した。退職金・年金はなく、D妻は妊娠=失職なので、子育てはおろか(都心の賃貸アパート暮らしだと)生活そのものが成立しなくなるため、せっかく授かった子供は泣く泣く中絶……(というような女性の麻酔を、私は何度か担当した)。

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