日本の「知識偏重教育」がオランダに学ぶこと 乙武洋匡が現地で触れた多様性を育む仕掛け

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いったい、イエナプランとはどのような教育なのか?

いま日本の教育において最も語られているテーマが、アクティブラーニングだろう。「詰め込み教育」「一方通行」と揶揄されることの多い、従来の知識偏重型の授業から脱し、体験学習や調査学習、グループワークやディスカッションなどを通じて、子どもたちが「自ら能動的に学ぶ力」を身に付けられるような教育へと転換していこうという動きが盛んだ。

こうした流れのなかで、海外のある取り組みがあらためて注目を集めている。「ドイツ生まれ、オランダ育ち」といわれる「イエナプラン教育」。日本の教育関係者からも熱い視線が注がれており、現地にまで視察に訪れる人も少なくない。いったい、イエナプランとはどのような教育なのか。私もイエナプラン教育を肌で感じるべく、オランダへと赴いた。

担任の先生もワークシェアリング

子どもと保護者でごった返すオープンスペース

オランダ第2の都市ロッテルダムから列車で15分ほど。人口4万人ほどのバーレンドレヒトという町にあるDr.schaepmanschool(ドクター・スハエプマンスクール)を訪れた。案内してくださったのは、石原基良さん(33歳)。2人の子どもをこの学校に通わせたくて、2年半前に一家でこの町に移住してきたという。

学校に到着したのは、朝8時30分。ちょうど子どもたちが登校してくる時間帯だった。こちらでは保護者が付き添うことが多く、親子で自転車通学というのがオーソドックスなスタイル。付き添いの保護者の4割近くを父親が占めていたことが印象的だった。石原さんによれば、午後の時間帯になる迎えにも、父親の姿が多く見受けられるという。

次々と登校してくる子どもたちに混ざって、いよいよ学校のなかへ。子どもと保護者でごった返すオープンスペースで、石原さんから女性の担任教師をご紹介いただいた。

「こちらが、今日の担任の先生です」

――えっ、「今日の担任」って、どういうことですか?

「ああ、こちらではワークシェアリングが進んでいるので、担任の先生も月・火・水の先生と木・金の先生といったように2人の教員で分担しているんです」

――なるほど、そういうことなんですね。

「ちなみに、この学校では校長先生も週4日勤務です」

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