欧州「幸福先進国」の教育はこんなにも凄い

子どもがけんかを仲裁、校長も選挙で選ぶ

豊かな未来を自ら創造していくためにはどうしたらいいでしょうか
先の見通せない時代――。最近では「Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)」の頭文字から「VUCA(ブーカ)」という造語すら生まれるほどだ。
もちろん日本人も無関係ではない。そんな時代に、未来を洞察し、自分なりの答えをつくり出すにはどうすればいいのか。そのために必要なこれからの働き方、社会のあり方とは――。
そうした問題意識のもと、企業や教育関係者、NPO・NGO、行政などが協働して、世界、特にヨーロッパの先駆的事例を訪問調査する「未来教育会議」というプロジェクトがある。本連載では、同会議実行委員会メンバーが、デンマーク、オランダ、ドイツなどのユニークな取り組み事例を紹介。VUCAの時代を恐れることなく生き、豊かな未来を自ら創造していくためのヒントを探っていく。

 

いま世界は、「分断される社会」というテーマで揺れている。イギリスの欧州連合からの脱退やドナルド・トランプ政権の誕生を受けて、動向が注目される2017年のヨーロッパの政治情勢。オランダの総選挙やフランス大統領選では、反移民・反EU政策を取る政党・候補者の台頭が目立ったものの、オランダでは与党が政権を守り、フランスでは親EU派のエマニュエル・マクロン氏が勝利した。「分断」「対立」を乗り越えて、多文化が共生する社会は築けるのか。

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それを考えるヒントとして、この記事では欧州の「民主主義教育」に着目する。ここでいう“民主主義”とは、自分で物事を考え、単なる多数決ではなく、違う意見を持つ人ときちんと対話を行い、そして皆で決めたことに対しては責任をもってコミットしていくという営みのことだ。

日本でも2016年から18歳選挙法が施行され、民主主義教育や主権者教育が注目されているが、“幸福先進国”と呼ばれるオランダやデンマークの民主主義教育はどのようなものなのか。教育現場を訪ねた。

オランダの「ピースフルスクール」の凄み

1970年代から移民・難民を積極的に受け入れてきたオランダ。たとえばユトレヒト市ではいまや200の国籍を持つ人々で市民が構成されており、文化の違いを原因とする大小の対立は日常的な課題でもある。そのオランダで、全国の小学校のうち約10%で導入しているのが、1999年に誕生した「ピースフルスクール」プログラムだ。

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