人口30万人の街の図書館に、4カ月で50万人が来館
デンマーク第2の都市オーフス。生活・教育環境やインフラのICT化などで高い評価を得ており、先進的な「スマートシティ」として知られる都市だ。
そのオーフス市史上最大の建築プロジェクトとして2015年に誕生したのが公立図書館「DOKK1(ドック1)」。
オーフス市の人口は30万人だが、開館4カ月のあいだに50万人が来館。今でも1日約5000人の市民が訪れる人気のスポットとなっている。国際図書館連盟(IFLA)が2016年の「Public Library of the Year」に選出するなど、国際的にも高い評価を得ている。
このDOKK1はどのようにして生まれたのか。
DOKK1の設立以前から図書館運営に携わってきたロルフ館長は、「スマートデバイスの発達などで、2020年には図書館がなくなるだろうといわれていました。しかしデンマークにおける図書館は、民主主義教育の中心となってきた重要な場所。現代に合った図書館の存在意義を再定義すべきと考えました」と話す。
「デンマークの図書館の新しいスタンダードをつくろう」というロルフ館長のリーダーシップの下、子どもから大人まで地域の人々を巻き込み、新しい図書館を生み出すためのディスカッションやワークショップが繰り返された。