「政府は堅く地方はゆるく」地方創生の本質

石破茂「試行錯誤は現場にしかできない」

試行錯誤できるゆるさが、地域全体の楽しさにつながります(撮影:梅谷秀司)
「日本は有事である。しかし、日本は地方からよみがえる」と断言する初代地方創生大臣の石破茂氏と、まちづくりの現場で実験的な取り組みと試行錯誤を繰り返してきた若新雄純氏が、「地方創生の現在とこれから」について語った。

このままだと日本はなくなる?

若新雄純(以下、若新):現在、福井県鯖江市で「鯖江市役所JK課」のプロデューサーとして活動しています。地元の女子高生がまちづくりを実験的に楽しむというものなんですが、石破さんはご存じでしたか?

石破茂(以下、石破):地方創生大臣の時に、存在を知りました。同時期、地方活性化をテーマにしたマンガ『地方は活性化するか否か』(こばやしたけし作・学研プラス刊)がはやっていて、その主人公も女子高生だったんですね。だから一時期、地方創生本部では「女子高生ばやりだね」と、よく話題になっていました。

若新:今後、JK課のような「プロではない一般市民が試行錯誤を楽しむ」という活動を全国に広めたいと思っています。その一環として、石破さんが「地方創生」について、どんな問題意識を持っているのかをお聞かせいただけませんか。

石破:まず、「このままだと“日本はなくなる”」と肝に銘じてほしい。昨年の出生率は1.44。出生数も過去最少、初の100万人割れとなりました。

若新:しかも、人口構造において高齢者が占める割合が非常に大きいという。

石破:『日本列島創生論』でも書きましたが、いまの日本はまさしく「有事」にあるわけです。このままでは地方は滅び、いずれ東京にもその影響が出てくるのは疑いありません。それを抑止するため、地方にもう一度「雇用と所得」をつくる必要がある。

若新:とはいっても、高度経済成長期のように箱モノの公共事業を増やしたり、地方に工場を誘致するのは難しいですよね。

僕は福井県の人口8000人程度の町で生まれ育ったんですが、そんな田舎まちにさえ今はトレーニングジムや音楽ホールが併設された立派な図書館があるぐらいです。もうインフラ整備は全国各地にほぼ行き届きつつあるのが、今の日本では。

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