石破茂氏、「寄らば大樹という言葉は嫌いだ」 本当のことを言わなければ政治家ではない
地方創生の完遂には意識改革が必要
有馬:石破さんはこの7月に「衆議院議員30周年」という大きな節目の年を迎えました。2002年、小泉内閣(第1次小泉第1次改造)で防衛庁長官(当時)として初入閣以来、ほとんどの期間、閣僚や党の重要ポストで重責を担ってこられました。やはり疲れはありますよね?
石破:自転車でも独楽でも、止まったら終わりですよね。「休まず動いていることが疲れない一番のこと」と思ってやってきましたし、これからもそうです。もちろん、体の面だけでいえば、疲労がないといえばうそになるかもしれませんね。
有馬:まずは、直近の2年間の地方創生担当相としての成果からお伺いします。ひとことで言えば、「成果も出たが、もう少し時間が欲しかった」というところでしょうか?
石破:「地方創生」ほど、完遂までに時間がかかる重要な政策課題はありません。日本は、経済が成熟し人口が急減していく中で、増える富を全国に分ける「正の分配」の時代は終わり、「負の分配」も必要な時代に入っています。
いわば、「地方創生」とは、「地方こそ、日本経済の成長ののびしろ」ととらえる一方で、明治以来の日本の中央集権の政治のあり方や人々の意識を、未来に向けて変えていくという大きな政策課題です。やり遂げるには20年くらいかかると思います。2年で変わるくらいだったら、誰も苦労しません。「2年経ったが成果が出ていないじゃないか」という人は、物事の本質をわかっていない人だと思います。
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