日・仏母親の人生を分ける「1日83分」の格差 フランス人はなぜ共働きで高出生率なのか?

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日本の家庭では、どうしても母親だけが育児を担う「ワンオペ育児」になりがち。一方、フランスでは夫が家事や育児を行うのが普通のことです(写真:FS-Stock / PIXTA)

母親が仕事や家事、育児を1人で担う「ワンオペ育児」がつらいという話を、最近よく聞く。そんな言葉すらなかった頃に子育てをしていた知人も、「夫は家事も子育ても手伝ってくれなかった」と当時の苦労を振り返る。

フランスの母親は「ワンオペ育児」になりにくい

一方、私がかつて滞在していたフランスでは、母親だけがワンオペ育児で苦しむことは少ない。共働き家庭が多いため、家事も育児も夫婦で担う。フランスの出生率が高い背景には、家庭生活を営むうえでの夫の協力があるのだ。

パリの朝、フランスの通学かばん、カルターブルを背負った子どもたちは、親に連れられ小学校へ登校する。フランスでは低学年の子どもの学校への送迎は、保護者の義務となっている。ざっと見渡したところ、父母の比率は半分ずつぐらい。校門の前で「よく勉強しなさい」などと声をかけ、父母は出勤のため地下鉄の駅へ向かう。

土曜日や平日の午後6時ごろから開かれる保護者会には、夫婦で参加する人も多かった。中学校では、各教科の担当教師との個別面談会があったが、これも平日の午後6時ごろから開かれた。事前に希望を出した教科の教師3人と、子どもの学習状況などについて話し合うことができる。参加した保護者の半数近くは父親だった。

日本の学校では、保護者会や個人面談は平日の昼間に実施されることが普通だ。参加者は、ほとんどが母親。母親主体の日本の保護者会を見慣れた私には、子どもの教育に積極的にかかわるフランスの父親の姿は、新鮮だった。

フランス滞在中、私の子どもは週末に友達の自宅で開かれる誕生日会に何度か招かれた。子どもを会場へ送って行くと、友達の両親が迎えてくれる。ケーキを切り分けて子どもたちに食べさせたり、ゲームをして遊ばせたり。夫婦で協力して子どもの誕生日会を催していた。日本で招かれた誕生日会が母親1人で切り盛りされていたのとは対照的だ。

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