新規事業がイケてない会社にありがちな忖度

社長の意図を酌み取ろうとしても難しい

本当に新規事業の創出に悩んでいる経営者は対話の相手を求めていることが多い(写真:【Tig.】Tokyo image groups / PIXTA)
筆者が実際に経験してきたさまざまな会社のエピソードを紹介しながら、新規事業にまつわる企業人としての処世術をお伝えする本連載。第2回目は、こと新規事業開発の初期段階においては忖度(そんたく)してしまうことが、成果を生めない大きな原因になってしまうという事例を紹介しましょう。

 

昨今「忖度(そんたく)」という言葉を頻繁にニュースで見掛けます。辞書で引けば「他人の気持ちを推し量ること」。権力者が直接言わなくても、周囲が半ば勝手に意向を感じ取って動くようなことです。「これは何も政治の世界だけの話じゃない、ビジネスの世界でも同じだよ」と思われている人も少なくないでしょう。

若い人の中には「だから組織というものは面倒くさい」と感じる方もあれば、ベテランには「組織とはそういうもの。忖度できずして、組織の中でうまく仕事ができることなんてない」と映っているかもしれません。

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確かに、同じ組織の中で働いていれば、言葉にせずとも相手の状況を見て、気持ちを察して、言葉を交わさずとも気を利かせることで、全体効率が上がりスムーズに運営されることが大いにあります。むしろ忖度がある程度ないと、組織運営はギクシャクしてしまって成り立たないともいえます。

創業家社長の孤独な悩み

東京に本社を置く消費財メーカーのB社。上場企業ですが、創業家の色合いが濃く、今の社長は創業者のお孫さんで3代目に当たります。創業者のアイデアマンの血は代々受け継がれているようで、現社長の就任以来、社長自らのアイデアで次々とヒット商品を生み出し、事業を拡大してきました。

ですが近年は大きなヒット商品がなく、先々の市場の縮小も想定される中、「次代の柱になるような新規事業を立ち上げよう!」の号令が社長から発せられ、検討する専門組織も作られました。

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