「レッドブル」、異例成長支える"逆転の発想"

老舗の中で新興企業が存在感を増したワケ

街中でこの光景を見かけたことがある人もいるでしょう(写真はレッドブル提供)
「顧客が大事」「顧客視点で考えろ」と口にする経営者は多いものの、実際に冷静な顧客視点で考えると過去の惰性で企業視点の取り組みを続けている会社は意外に多いのではないでしょうか。
『顧客視点の企業戦略』の著者であり、アジャイルメディア・ネットワークで企業のアンバサダープログラムやソーシャルメディア活用のアドバイスを行う徳力基彦氏は、「ソーシャルメディア時代に成功している企業に共通しているのは顧客視点での取り組みができている」と指摘します。

レッドブルの「逆転の発想」

「マツダがシェア2%でも存在感を放つ理由」(4月28日配信)に続き、今回は逆に新しい市場を開拓したレッドブルの事例をご紹介しましょう。顧客視点が重要なのは大企業だけではありません。いえ、正確に言うと、既存の流通網や広告予算などのマスの資産を持っていない中小企業のほうがはるかに顧客視点が重要になります。

レッドブルといえば、いまや世界で60億本以上の販売数を誇る、エナジードリンク市場を代表する有名ブランドといえるでしょう。

ただ、実はその創業は1984年。製品発売は1987年ですから製品発売から今年でようやく30年です。創業から100年以上経っている企業が多い飲料業界の中では新興メーカーと位置づけられることが多い、まだ若い企業といえます。

そんなレッドブルは創業当時、同じようなエナジードリンクがまだ新しいコンセプトの商品で競合もいなければ市場もなかったため、自ら市場を作るために新しもの好きのクラブやバーの客に、レッドブルで割ったカクテルをアピールするなどして、口コミで評判を作るというアプローチを取ったそうです。

普通に新しい飲料で新規参入というと、新しい商品を作ってスーパーやコンビニなどの流通網に並べるという発想で考えそうなものですが、これは既存の流通ルートを持っている大手だからこその発想といえます。

レッドブルのような新規参入者が、大手と同じ土俵に参入するためには大きなハードルがあります。

次ページレッドブルの「スポーツマーケティング」
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 岡本幸一郎の自動車情報発信局
  • インフレが日本を救う
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
100億円の寄付を即決<br>ユニクロ柳井会長の危機感

ともにノーベル賞を受賞した京都大学の本庶教授、山中教授に、ユニクロの柳井会長が過去最大規模となる総額100億円を寄付すると発表。研究支援を決めた背景には、サステナビリティ、社会課題の解決などに対する柳井氏の強いメッセージがありました。