「弱い人に愛着?」一風変わった中国研究家 あらゆる仕事に必要な3つの条件とは?

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少年時代は外遊びが嫌いだった広中さんが、日本国内や中国を歩き回って「体力勝負」の取材活動をしているのは興味深い。長い時間をかけて見つけたオリジナルの研究テーマに夢中になっているのだろう。

以前、ライターの先輩と雑談をしていて「企画3箇条」を教えてもらったことがある。1.本当にやりたい企画であり、2.やる資格が自分にあり、3.世の中にニーズがある――の3つだ。ライターだけでなく、研究者や他の職業人にも通じる3箇条だと思う。とりわけ大事なのは②で、言い換えれば「自分(自社)にしかできない仕事で社会に価値を提供する」ことだ。これを見つけるのが意外と難しい。

広中さんは、幼い頃から日本史と戦史に親しみ、中国語に堪能で、まだ若くて体力と根気があり、何よりも「弱い嫌われ者に光を当てたい」という強い情熱がある。中国における親日傀儡政権の実像を丹念に掘り起こす仕事は、まさに天職と言えるだろう。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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