少年時代は外遊びが嫌いだった広中さんが、日本国内や中国を歩き回って「体力勝負」の取材活動をしているのは興味深い。長い時間をかけて見つけたオリジナルの研究テーマに夢中になっているのだろう。
以前、ライターの先輩と雑談をしていて「企画3箇条」を教えてもらったことがある。1.本当にやりたい企画であり、2.やる資格が自分にあり、3.世の中にニーズがある――の3つだ。ライターだけでなく、研究者や他の職業人にも通じる3箇条だと思う。とりわけ大事なのは②で、言い換えれば「自分(自社)にしかできない仕事で社会に価値を提供する」ことだ。これを見つけるのが意外と難しい。
広中さんは、幼い頃から日本史と戦史に親しみ、中国語に堪能で、まだ若くて体力と根気があり、何よりも「弱い嫌われ者に光を当てたい」という強い情熱がある。中国における親日傀儡政権の実像を丹念に掘り起こす仕事は、まさに天職と言えるだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら