――そ、そうですね。
同じくコーエーの『三国志』もやり込みました。もちろん、劉備や曹操なんて選びません。僕がプレーしたのは劉度や金旋です。やっぱり弱い人たちですね。シンパシーを感じるし、(弱すぎて天下統一が難しいから)ゲームを長く楽しめる。
私はファミコン第1世代です。テニスやゴルフ、囲碁、街作り(『A列車で行こう』『シムシティ』)をすべてゲームで体験しました。親が共働きで一人っ子だったので、家でずーっとゲームばかりしていた気がします。
同じ蒲郡人でも全然違う
――同じ世代の蒲郡人でも、竹島水族館の小林さんは子どもの頃から海や川で遊んで過ごしたらしいですよ。
蒲郡人と言われてもピンと来ませんね。私は(勇壮な「海中渡御」の祭で知られる)三谷出身です。今は同じく蒲郡市ですが、三谷にアイデンティティがあります。祭には参加しませんけど。
海が近くても私は泳げません。釣り餌の虫が気持ち悪くて触れないので、釣りもほとんどやったことがありません。だから、地元には友だちが少ないです。
――清々しいほど文化系というかゲーム系ですね……。日中戦争史などを専門とする研究者になった経緯を教えてください。
ゲームを通じてだんだんと日本史の勉強が好きになっていきました。大学3年のとき、日本史のゼミを選ぼうと思ったのですが、学生が40人近くもいるゼミだったので敬遠しました。私は人が少ないところが好きなんです。だから、10人弱しかいない東洋史のゼミを選びました。
東洋史の中でも、中国の近現代や日中戦争に興味が出ました。古い話よりも最近の話のほうがリアリティがあるし、私は戦いの話が好きだからです。「いつどこで誰が誰を撃ちました」という話を正確に調べたい。
学生だった頃、南京事件などをテーマに歴史的事実を見直す流れが盛んになっていました。私は保守的な考え方に影響されたわけではありませんが、「いろんな見方があるんだな」とは思いました。
卒論のテーマは袁世凱です。理由は嫌われ者だから(笑)。いろいろ調べて、「そんなに悪い人じゃないよ」という趣旨で書いた記憶があります。孫文とか蒋介石みたいな「いかにも正しい人」は好きじゃないんですよ。
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