教育改革の話を見聞きすると、「子どもは放っておいてあげればいいのに」と思うのはなぜだろうか。「お受験」を経験せずに育った自分の過去を、肯定したいからかもしれない。
しかし、冷静に振り返ってみると、僕が教育を受けた小学校と中学校は決してすばらしくなかった。声が大きくて管理が得意な教員ばかりが幅を利かせ、生徒をじっくり見守って伸ばしてくれる教員が活躍しにくい体制だったと思う。陰湿ないじめもあった。ほかの学校に行っていれば、もっと明るい青春時代を過ごせた気もする。
名古屋市で民間学童「ファミリーズ」を経営している佐藤嘉高さん(39歳)の問題意識は、「学校を自由に設立できず、親や子が自分の意思で特色ある学校を選びにくい現状」にあるらしい。話し始めるといきなり「欧米に比べると日本は教育の後進国」「越境入学禁止が学校問題の元凶」などと断言。うーん、それにはやっぱり異論があるぞ。佐藤さんは威圧感がなくてこちらにも耳を傾けてくれる人なので、インタビューというより議論をしたくなるが、まずは民間学童という聞き慣れない言葉について聞くことにした。
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