バスローブとワインというイメージ?
楠木:僕は人の好き嫌いが大好きでして、経営者の方に、良しあしについてのお考えよりも、主観的な好き嫌いを聞くという対談というか雑談です。石黒さんは見た目でいえば、好き嫌いがはっきりとありそうに見えますね。飛行機で肉か魚かと聞かれたら、絶対に肉。「とりあえずシャンパン……」みたいな。メディアでしか知らない人からすると、家でバスローブを着てワイングラスを回していそうなタイプ。「私の血はワインでできるのよ」などと言いながら(笑)。
石黒:できていませんし、そんな血じゃありません(笑)。
楠木:手前勝手なイメージですけど。石黒さんご自身に伺って言い得て妙だなと思ったのは、「私はカネがかかる女だと誤解される」というお言葉。僕もいちばん初めにお目にかかったときは、そう思いました。外見から受ける印象とか、たぶんキャリアから来るものもあるでしょうね。
スタンフォード大学でMBA取得され、シリコンバレーをよく知っていて、インターネットのベンチャー企業をつくってIPOを果たした。メデイアにとっては、「女性経営者のアイコン」という感じです。しかし、石黒さんを知るようになると、だいぶイメージとは違うことに気づかされます。そのあたりを今回はお聞かせいただきたいと思います。
石黒:ワインだシャンパンだというより、接待はむしろ嫌いで、毎日、外で飲むなんてありえないですね。ネットイヤーグループはわりとドライな会社で、接待はほとんどしないのです。ワインは飲みますが安いものですし、最近はダイエットのために焼酎を飲むようにしています。仕事で遅くなるので難しいですが、なるべく夜の8時までにご飯を食べようと思っています。
楠木:結構、おうちでご飯を作られるのですか?
石黒:週に平日5日のうち、3回は作りますね。うちで食べるのが好きで、とにかく外に出ないようにしています。
楠木:じゃあ、ご自身でお食事を作って、淡々と召し上がって。バスローブを着ることもなく……。
石黒:着るわけないじゃない(笑)。しかも、私はお弁当を作って持ってきていますから。息子が中高生の頃は朝ご飯を作って、昼はカフェテリアで取っていましたが、夕ご飯も出勤前に作って、冷蔵庫に入れて。そんな時期がありました。
楠木:「石黒さん=バスローブをまとった肉食女王」というイメージが世の中的にはありますが、実際はずいぶん違いますね。
石黒:その誤解と偏見に満ちたイメージ、今、まさに先生が作っていますよ(笑)。
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