新入社員は「石の上にも3年」を真に受けるな

会社人事に「絶対服従」する人が大損する理由

法律的な観点からも、キャリア形成を会社任せにしてはいけないことが分かります(写真:xiangtao / PIXTA)

今回は、解雇や残業といったギスギスした話ではなく、春らしく前向きな話をしてみたいと思います。

この春に入社された皆さまや社会人としてのキャリアが浅い方に向けて、今後のキャリアを「会社任せ」にしないことの重要性について、法律的な観点も混ぜながら掘り下げていきましょう。

自発的な「キャリア形成」はなかった

「自分のキャリアは自分でつくるべき」といえば、今は当たり前と思う人も多いかもしれません。しかし、ほんの十数年前までは、日本においてそのような考え方はほぼありませんでした。自分がどのように働いていくかは、「会社任せ」にする以外の選択肢を持たない人が、圧倒的に多かったのです。これまで、日本企業では、正社員は新卒一括採用を行い、全国規模の配転・職種変更によりさまざまなキャリアを経験させ、ゼネラリストとして全員幹部候補へというジョブローテーションによる育成方式を採用してきました。

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そもそも、日本型の雇用契約の中心である正社員などの契約は期間のない雇用契約(無期契約)といわれます。もちろん、定年はありますが、基本的には定年までの雇用は保障するという意味で無期契約です。企業としては、無期契約として長期の雇用を予定する代わりに、広い人事権が認められます。一方、海外では定年までの雇用保障などなく、解雇されるリスクがある代わりに、仕事や職場の変更も勝手にはできないという雇用契約が多く見られます。

日本企業は定年までの雇用保障と引き換えに、従業員に対する広い人事権を持っていますので、全国的に配置を行い、企業側が個々人のキャリアをつくってきたのです。つまり、個人のキャリア形成は会社の人事権に委ねられ、行われてきたというわけです。

高度経済成長期で、日本企業の体力があるときは、従業員は原則として会社の指示に従ってさえいれば、問題ありませんでした。会社は、いったん正社員として採用した以上、出世がかなわず幹部になれなかった人にも、何らかの形で定年まで仕事を用意しました。また、極端な話、その人に任せられる仕事がなくても、ただ会社に来ているだけで給与を保障する覚悟がありました。そして、定年後は退職金を得て、以後は余生を過ごすというライフプランが当たり前だったのです。

次ページ現代では、定年までの雇用保障は確実ではない
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