「新卒一括採用が当然」という時代は終わった コスト削減よりマッチング精度の方が重要だ

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
新卒一括採用は世界的にみると珍しい、日本特有の慣習でした(写真 : kou / PIXTA)

日本型「新卒一括採用」の本質とは何なのか

この連載の一覧はこちら

4月から新社会人となって仕事始め、という方も多いでしょう。新社会人の皆様、おめでとうございます! 今回は、日本の労働環境の特殊性としてよく挙げられる、新卒一括採用について考えたいと思います。特に新入社員の皆さんが入社されるきっかけとなった日本型「新卒一括採用」の本質とは何なのかについて考える良い時期かと思います。

実は、日本の新卒採用は世界的に見ると特殊な部類に入ります。基本的に、欧米では日本のような新卒一括採用のような慣習はなく、「空いたポジションに適切な人を入れる」という感覚が一般的です。そこに、「新卒」や「中途」といった概念はほとんどありません(一部でポテンシャル採用などはありますが、例外的でしょう)。

なぜ日本では、新卒一括採用が定着しているのでしょうか。新卒一括採用のメリットとしては、採用コストを抑えられること。若年層の失業率抑制という点が挙げられます。

当然ですが、採用にはコストがかかります。広告費やデータベース掲載費、会社説明会実施費、面接担当者の人件費等々です。この点、新卒一括採用では採用時期が一度に来るため、通年採用に比べて資源を集中できます。そのため、全体としてコストは抑えられるでしょう。学生も大量に求職状態に入るので、大量に採用することも可能となります。また入社時期も共通なので、教育コストも一括で安く抑えることが可能です。

次ページコスト面だけの問題ではない
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事