「落とすための採用活動」は即刻止めるべきだ 企業は採用実績校を開示したほうがいい

✎ 1〜 ✎ 185 ✎ 186 ✎ 187 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
就職説明会の様子。企業は採用活動において本音と建前を使い分けている(写真:使用上の注意/PIXTA)

日本の主要企業の多くは、「落とすための新卒採用活動」を知らず知らずのうちに行い、多くの学生に多大なる無駄な就職活動を強いている。それが学生の学業を圧迫する主要因になっており、多くの学生の心を折っている。その原因が何かを明らかにし、企業が落とすための採用活動から脱却するために何をすればいいか、提言したい。

巷では、日本の新卒一括採用が旧態依然で、学業を圧迫するものとして批判する傾向があるが、それは大間違いだ。学生が在学中に採用内定を出し、就職が決まる新卒一括採用は、若年層の失業率を低く抑え、社会を安定させる装置となっている。諸外国に比べて日本は圧倒的に若年層の失業率が低い。日本の新卒一括採用自体はすばらしい仕組みなのである。

新卒一括採用はすばらしい仕組み

ちなみに誤解をしている人が多いので言っておくが、新卒一括採用の「一括」とは、選考時期を一律に決めることではない。選考時期を一律に決めることは大反対である。時期を決めず通年で採用することは、新卒一括採用の反対概念ではない。ゆえに、新卒一括採用を止めて通年採用にしたというのは、実はおかしい表現である。その企業が学生の在学中に内定を出さないなら、新卒一括採用をしていないと表現していいだろう。

また、新卒一括採用を中心に行っている企業でも、中途採用を併用しているところは多い。その採用数のバランスは、企業ごとの採用戦略に応じて異なるものであり、外部から「新卒一括採用はやめろ」などと言うのはおかしな話だ、ということをはっきり言っておく。

次ページ学業圧迫の根本的な原因は?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事