新入社員は「石の上にも3年」を真に受けるな 会社人事に「絶対服従」する人が大損する理由

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さらに、「キャリアを考える」といっても、これまでの延長線上で思考していては、持続可能性がないことがありうるので注意が必要です。何が重要かといえば、それはAI・ロボットに取って代わられないスキルとは何かを考えることでしょう。産業構造の変化は、産業革命による機械化と同じ、あるいはそれ以上の労働環境の変化を生み出します。特に、製造業以外でも、単純作業については、今後ますますロボット化の流れが進んでいくと思います。その意味では、「20年、30年先残る仕事とは何か」を意識しながら仕事をすべきです。

個人的には、エモーショナルな部分、エンターテインメント、創造的な仕事、新規事業の創造など、AIなどではまだまだ時間がかかると思われる分野のスキルを伸ばすとよいと思います。もちろん、業界ごとに、何が重要かは変わってくると思いますが、少なくともこの視点を持ちながら日々仕事をすると、きっと見え方が変わってくると思います。

会社が定年まで面倒を見てくれる保証がないからこそ、個人としては、今後はプロフェッショナル人材となり、むしろ自己のスキルにより会社と年俸交渉ができる人材になることを目指すべきだと思います。日々の業務に少しだけ、「今後のキャリア」という視点を入れておくと、きっと将来が変わると思います。皆さまのキャリアが輝かしいことになることを祈っています。

間接部門の配属はむしろチャンス

最後に、蛇足ですが、新卒配属において人事、法務などの間接部門になり気落ちしている方はいませんか? 「希望の部署に配属されなかった」「華のある現場や営業担当のほうがよかった」など、さまざまな思いがそこにはあることでしょう。しかし、筆者が弁護士業務を通じて、相当する人事・法務ご担当者のキャリアを見るかぎり、実は人事や法務は、どこの会社に行っても通用する汎用性の高いスキルを身に付けやすい職種といえます。つまり、転職市場において有利になるということです。

また、仕事の魅力という意味でも、人事は会社の制度をデザインするクリエーティブな仕事であり、極めて創造的です。単に給与計算やタイムカードをチェックする仕事ではありません。法務は戦略的に法的リスクを低減させ、ビジネスモデル構築の一翼を担う創造的な仕事であり、単に契約書をチェックするだけの仕事ではないのです。

会社が定年まで面倒を見てくれる保証がないからこそ、個人としては、今後はプロフェッショナル人材となり、むしろ自己のスキルにより会社と年俸交渉ができる人材になることを目指すべきだと思います。

倉重 公太朗 倉重・近衛・森田法律事務所 代表弁護士

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くらしげ こうたろう / Kotaro Kurashige

慶應義塾大学経済学部卒。第一東京弁護士会労働法制委員会 外国法部会副部会長。日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員。日本CSR普及協会雇用労働専門委員。労働審判・仮処分・労働訴訟の係争案件対応、団体交渉(組合・労働委員会対応)、労災対応(行政・被災者対応)を得意分野とする。企業内セミナー、経営者向けセミナー、社会保険労務士向けセミナーを多数開催。著作は20冊を超えるが、代表作は『企業労働法実務入門』(日本リーダーズ協会 編集代表)、『なぜ景気が回復しても給料は上がらないのか(労働調査会 著者代表)。

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