アベノミクス効果に加え、原発「再稼働」への動きが、総合電機・重電首位の日立製作所の業績にもプラスの影響を及ぼしはじめている。
上半期は営業利益を150億円上方修正
日立は7月30日、今2013年4~9月期の業績見通しを上方修正した。
期初計画に比べて、売上高は500億円増額の4兆4000億円、営業利益は150億円増額の1450億円と、いずれも上振れる見通しだ。中国での昇降機やATM、さらには高機能材料などが想定以上に好調なことが上方修正の背景にある。
とはいえ、前年同期(12年4~9月)に比べれば、売上高は1%増の小幅増収ながら、営業利益は11.4%の2ケタ減益。前年同期は国内電力での一時的需要が業績を押し上げており、その反動減が響いた形となっている。
アベノミクス効果で受注環境は改善
日立は同じ7月30日に、第1四半期(2013年4~6月)の決算を発表。これによると、売上高は前年同期(12年4~6月)に比べて1.8%減の2兆0829億円、営業利益は12.7%減の554億円と減収減益に終わった。
ただ、同日に開かれた第1四半期の決算説明会で、日立の中村豊明副社長は、「アベノミクス効果で、3月時点と比べると確実に受注環境は改善している」と強調した。デジタルメディア・民生機器や高機能材料といった量産系事業が好調なほか、中国では昇降機やATMへの投資が活発に動いていることが背景にある。
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