足元では赤字が縮小している関西電力。しかし、原子力発電所の「再稼働」問題には不透明感が強まっており、業績の先行きはますます見通しづらくなっている。
4~6月の最終赤字は3分の1に縮小
関西電力が7月31日に発表した第1四半期(2013年4~6月)の決算は、前年同期(12年4~6月)に続いての赤字決算に終わった。売上高は7175億円、経常利益は425億円の赤字、最終利益も334億円の赤字となった。
とはいえ、前年同期は売上高が6483億円、経常利益が1474億円の赤字、最終利益が995億円の赤字であったから、売上高は11%増、経常利益と最終利益の赤字はそれぞれ3分の1前後に縮小した格好となる。
売上高が1割強の増収となったのは、節電の定着や産業用大口電力の減少などによって販売電力量が前年比2.7%減少したものの、料金改定による単価アップが上回ったことによるもの。
また、赤字が大幅に縮小したのは、前年同期は動いていなかった大飯原発の3、4号機が稼働していたことにより、火力燃料使用量や他社からの応援融通電力が減少したことが大きい。修繕費の大幅減も寄与した。原子力利用率の上昇による収益改善効果は、前年同期比でトータルでは650億円にも上る。
7~9月だけなら「黒字」に浮上
関電は、第1四半期決算と同時に、これまで売上高以外を未定としていた今年度の上半期(2013年4~9月)の業績見通しについて、経常利益は400億円の赤字、最終利益は320億円の赤字になりそうだと新たに公表した。
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