料金値上げと大飯原発の稼働効果が大きいうえ、電力事業以外の貢献もあり、第2四半期(2013年7~9月)だけでみると、経常利益が25億円の黒字、最終利益も14億円の黒字となり、わずかながら浮上することになる。また、中間配当については無配にすることを決定。通期の業績見通しや配当については、引き続き未定としている。
関電は先の値上げ申請において、効率化による原価抑制を3年間平均で年間1553億円としていた。審査の結果、追加で474億円のコスト削減をするようにとの指示も受けていた。
関電によると、この第1四半期の燃料費を除く固定費の削減目標額は280億円。これに、査定による深掘り分である年間474億円(こちらは燃料費含む)の四半期分(4分の1相当)として120億円を加えると、必要となる原価削減額は400億円になる。これに対して実績は約390億円だったことが今回、明らかにされた。
八木社長は「赤字は赤字」と強調
決算発表の記者会見では、「原発2基でも黒字化できるのでは?」などと、収支見通しの改善ぶりや経営効率化の進捗への質問が相次いだ。
八木誠社長は「赤字は赤字だ。料金申請に織り込んだ年間1553億円の効率化は当然やらないといけない。査定で(追加削減として年間)474億円と指示をいただいたところは、一定の成果は出ているが、確実にできるかどうか見極めないといけない。このような状況で経営が安定しているとは思っていない」と説明。引き続き経営効率化と原発の安全審査対応に全力を挙げることを強調した。
ただ、原子力規制委員会に対して新規制基準による安全審査を申請している高浜3、4号、および9月に定期検査入りする大飯原発3、4号については依然、再稼働の時期が見通せない状況にある。
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