GE、シーメンスVS日立製作所 真の勝者は誰か――総合電機徹底比較【海外編】
「つねに意識している、GEとシーメンスのことは。残念ながらわれわれの数歩先を行っているよね」。中西宏明・日立製作所社長は、折に触れ、この2社の存在を引き合いに出す。「日立はまだまだだ」と付け加えるのも忘れない。
米独をそれぞれ代表する電機メーカーが中西社長の心をとらえて放さないのは、2社がこの10年間絶え間なく続けてきた自己変革に理由がある。
GE(ゼネラル・エレクトリック)。売上高は日立の1.4倍程度だが、営業利益は4倍以上と圧倒的な存在だ(下図)。
「複雑な世界経済環境にもかかわらず、力強い結果となった。2013年度に向けた機運が高まった」。1月18日、12年度決算発表でジェフリー・イメルト会長兼CEOはこう述べ、成長への自信を見せつけた。GEは目下、11四半期連続で営業増益と波に乗っている。
01年──米国同時多発テロの数日前──、ジャック・ウェルチ氏の跡を継いでトップに就任したイメルト氏の下、GEは猛烈な事業再編を進めてきた。
日本でもGEエジソン生命として知られた保険事業をAIGに、プラスチック事業をサウジ基礎産業公社(SABIC)に売却。メディアの米NBCユニバーサルは、株式の過半をケーブルテレビのコムキャストに売却し、少数株主となった。
ウェルチブームが吹き荒れた1990年代には金融部門が売上高の50%を超えたが、意識的に減らしていった。保険事業の売却に加え、GEキャピタルも中堅企業向けの融資やリースなどに絞り込んだことで、近年は3割強で安定している。
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