GE、シーメンスVS日立製作所 真の勝者は誰か――総合電機徹底比較【海外編】
16事業を三つに集約 シーメンスの迫力
中西氏曰(いわ)く、近年そのGEを上回る変化を遂げてきたのがシーメンスだ。「GEは盤石になったが、今のシーメンスはまだ軸を揺さぶっている最中。その変化が正解かどうかに興味津々」(中西氏)。
シーメンスは売上高では日立とほぼ同じ規模だ。しかし営業利益ではおよそ倍の差をつけている。
メリルリンチ日本証券の平川幹夫・リサーチアナリストは、シーメンスも90年代後半までは、技術重視の高コスト構造、マーケティング軽視傾向、さらに一部セグメントの不採算という問題があったと指摘する。「これらは現在の日立製作所が解決に当たっている課題だ」。
転機は98年。シーメンスはこの年から10(テン)ポイントプログラムと題し、利益率の10%への引き上げを目指し、事業の取捨選択とコスト削減に突き進む。トップがピーター・ロシャ氏が会長に替わった00年代半ば以降は、その流れが加速する。この10年強の間で、半導体、パソコン、自動車部品、通信機器、水道浄化システム、郵便物や空港荷物を仕分ける搬送機など、数々の事業を切り離した。電信機が祖業のシーメンスは、00年代初頭まで通信事業にかなり力を入れてきたが、例外にはならなかった。最近では原子力やソーラービジネスからも撤退している。
かつて16あった事業はエナジー、インダストリー(産業機器)、ヘルスケアの三つに集約された。売り上げで見ると、10年強で5割の事業を入れ替えたことになる。
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