まさかの復活。日の丸液晶の大勝負

社運を懸けたスマホ液晶の増産投資は吉と出るか

日の丸電機は今度こそ飛躍できるのか。

日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶子会社を統合し、昨年4月に発足したジャパンディスプレイ。官民ファンドの産業革新機構が2000億円を出資して株式70%を保有する文字どおり、日の丸液晶会社である。6月3日、1500億円弱を投じた茂原工場(千葉)の新ラインが動き出した。

「日本メーカーは技術で勝って、ビジネスで負ける状態にあった」(ジャパンディスプレイの大塚周一社長)。統合前、それぞれの親会社は業績変動が激しい中小型液晶事業と距離を置いていたため、3社は積極的な投資を行えずにいた。

しかし、専業メーカーとして生まれ変わり、親会社とのしがらみを断ったことで、一気に攻勢へ転じた。調達資金の残り500億円強もすべて増産投資に投じ、数年内には生産能力を倍増させる。旺盛なスマホ向け需要に加え、新ラインの立ち上げ後は「タブレットが伸びてくる」(大塚社長)と期待を込める。

経営のスピード感もアップしている。今回の新ラインは347日という短時間で立ち上げた。「期待以上の仕事に感謝している」と産業革新機構の谷山浩一郎・執行役員は満足そうに語る。4月には旧3社の労働条件の統一にもこぎ着けた。研究開発は茂原に集約し、製品開発も加速している。

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