原子力規制委員会によって原子力発電所の安全性を審査する際の新規制基準が策定され、7月8日から施行された。その当日から電力会社による審査申請も相次いでおり、原発が再稼働に向けて動き出している。
一方、東京電力福島第一原発では汚染水問題が一段と深刻さを増し、事故収束のメドは立たない。事故原因の検証も十分なされたとはいえず、そうした中で東電が柏崎刈羽原発の早期再稼働申請の方針を決定したことに対し、地元をはじめ批判が高まっている。
原発再稼働と東電問題について、自由民主党内での“脱原発”論者としても知られる、河野太郎衆議院議員(副幹事長)に話を聞いた。
核燃料サイクル成り立たないとの見方、党内でも広がる
――新規制基準が決まり、原発が再稼働に向けて動き出した。
原発を再稼働すれば、数年以内で使用済み燃料プールがいっぱいになるところが出てくる。今まではリラッキング(燃料の間隔を狭めてプールの貯蔵容量を増やす工事)で何とかなるとしてきたが、それではどうしようもなくなった。青森県むつ市で建設中の中間貯蔵施設も日本原電と東京電力だけしか使えない。
そうなると敷地内に空冷で暫定保管せざるをえなくなる。そういうことを含め、事前に住民との間で合意を取りつける必要がある。基本的に、核のゴミはどうするか、どこまで増やすのか、どう始末するのかを再稼働前に議論すべきだ。
政府は、表では核燃料サイクル堅持というお題目を唱えている。が、核燃料サイクルが成り立たないという見方は、3.11以降、自民党内でも広がってきている。新人議員からベテラン議員まで確実に増えている。
高速増殖炉もんじゅは安全文化もなっていないということで使用停止命令が出た。もんじゅは耐用年数に近づいており、高速増殖炉はもはや赤信号といっていい。
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